SSブログ

のび太はデスノートに剛田武と書くか? [書籍/漫画感想]

Death note (12)

Death note (12)

  • 作者: 大場 つぐみ, 小畑 健
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2006/07/04
  • メディア: コミック


 こんなこといいな、できたらいいな、人を自由に殺りたいなー、はい!デスノート!あんあんあん~♪
 てな具合で、ドラえもんがのび太にデスノートを出してあげればジャイアンの名を書くに違いない。
しかし、ネット上でドラえもんとデスノートのコラボがとても多いのに驚きました。やはりみんな考えることは同じなんですね。「ドラえもん」と「デスノート」って似てますよね。未来=死神界から突然やって来たロボット=死神が、少年に未来のおもちゃ=デスノートを授け、それによって少年は超能力を発揮するが、未来のおもちゃ=デスノートに不具合があっても、ロボット=死神はなんらメンテナンスも責任も負わないため、主人公の思い通りにならず、結果、未来のおもちゃ=デスノートの能力が返って主人公を不幸にするというくだりが。ドラえもん=死神は、未来のおもちゃ=デスノートの管理者ではなく、伝達者(管理者は、未来人=大王)であり、未来のおもちゃ=デスノートは、ドラえもん=死神が絶対逆らえないルール=掟に縛られており、時には、未来のおもちゃ=デスノート自身がドラえもん=死神を危険にさらすこともある。だから未来のおもちゃ=デスノートに対してドラえもん=死神は全く無責任であり、総て使用者の自己責任に任せている点もそっくりだ。のび太はキラであり、のび太=キラの終始味方である女性陣(ミサ&高田)はしずかちゃんだ。L=ニア=メロはキラ=のび太の敵であるジャイアンであり、のび太=キラは何とかジャイアンに未来のおもちゃ=デスノートで勝とうするが結局負けてしまう。そして叫ぶ、「何とかしてよ、ドラえもん=リューク!」と。だがドラえもん=リュークはあくまで冷徹である。最も彼らは人の血が通っていないのだから当たり前であるが。スネ夫はさしずめ、キラの敵になったり味方になったりする日本警察あたりか。

 私は流行っている物を流行っている時に読むのは元来、好きではない。なぜなら、「流行っている割には面白くない」とか「流行っている物だから当然、面白い筈」といった、流行っていることで、その物に対する正当な評価が出来なくなってしまう恐れがある。そんなわけで「デスノート」も暫く放っておいたが、親戚の子が持っているのを見せてもらい、絵の感じが「レベルE」に似てたので、思わず買ってしまったら、著者自身も認めている通り、やたらと科白が多いので、4巻あたりから読むのが苦痛になってしまった。大体、推理ものって好きじゃない。こらえ性がないので、考えたり推理するのがめんどくさいというか、推理するぐらいなら答えみちゃえ!っていうタイプなので、正直「デスノート」もかなりすっ飛ばして読んだ。途中の細かい理屈はなんだか良くわからないし追求する気もない。そもそも自分の都合良い様に、ルールを次々と変え、登場人物を次々と増やし、増えすぎたらデスノートでお手軽に始末すればいいのだから、作成側は楽そうである。そして主要人物の2,3人以外は細かい性格描写もなく、登場人物全ての性格が極めて短絡的で単純である。何よりも,Lを初め、顔がツルっとしてて能面みたいで皺がなくて綺麗である。人間臭くないというか、最後に夜神月がキラとばれて人間性を発揮するところまでロクに血も流れない。しかもグダグダと引き回した割にラストはよめる展開であり拍子抜けであった。
 なんといってもこの物語の主人公はデスノート自身であり、死神自身も知らないデスノートの謎解きとルールの追加が話の主眼である。自らの手を汚さずどんな人でも自由に殺すことが出来る究極のマジックアイテムは、五寸釘の藁人形を例に上げるまでもなく、人類の夢である。いじめっ子、口うるさい親、偉そうな上司、嫌味な客、振られた女、奪われた新しい彼氏、旦那の浮気相手、ホームで煙草吸ってるバカ、電車のちかん、生意気なガキ、優秀な同僚、右翼のナショナリストの大統領、バカな政治家、軍国主義者、違法森林伐採者、密猟者、原子力発電推進者などなど、あー話わからねー奴、頭に来る奴、俺のことをバカにしやがっての奴、地球の未来を破壊する奴なんか、いっそのこと、って誰でも一度は、大なり小なり思うよなあ。思うだけなら自由でありなんの罪にもならない。デスノートの罪の意識が希薄なのはそんな思う行為に近いからであろう。この殺伐とし狂った現代社会では人間、殺意の一つや二つ、毎日持って暮しているのが当たり前である。         
 TV版「大草原の小さな家」の「ローラの祈り」では、インガルス家に初めて男の子が出来、両親はその子で夢中で主人公ローラがテストで良い点を取ってもちっとも聞いてくれないので、自分を両親から奪い取ったその男の子が死んでしまえばいいと思った所、本当に病気で死んでしまうという話がある。ローラはその事で悩み、自分のせいだと思い込んで一人で山に登り神に生き返らせる様、願いを乞いに行く(これは呪術的思考と言って、自分の考えがそのまま物事を引き起こす原因になると信じることである。通常、我々は、こうした思考を卒業し、思春期には人間には考えるだけで外界の出来事を支配する力はない、と確信するようになる。しかし最近、卒業できない者がやたらと多い)。 しかし夜神月は5日しか悩まずその間も人を殺し続けた。他の使用者、ミサや火口やメロや魅上や高田に至っては何の罪の意識もない。こんな人たちが存在するだろうか。もう少しその辺の心理描写を大切にすれば深い作品になるのだが、むしろこの作品にそういった深みは邪魔になるのかもしれませんね。
 また、レムは雌の癖にミサの為に命を捨てるのも全くわかりません。「私の意地」なんて理由で不死身の死神が人間の為に命捨てたりするかあ?雄の死神なら恋愛感情で理解できるが。レムはひょっとしてレズ?(爆)。でもそんな感じでもないなあ~。
 この作品では、やたら名前にこだわる。私は自分の名前にそんな重要性を感じたことはないのだが、とにかく名前にこだわる。そもそも結婚とか養子とか親の離婚とか財産相続とかで苗字が変わった場合、デスノートはどう扱うのか?最初の名前なのか?戸籍上の名前なのか?さっぱりわからない。またLIND・L・TAILORを殺したとき、ミドルネームはLで省略したが、それでも殺せるのがよくわからない。漢字だって名前はやたらと難しいぜ、制限漢字とか常用漢字とかあるし、渡辺だって何種類もあってその都度省略する人もいるよなあ。アルファベットだって大文字と小文字があるし、まして英字ならまだしも、イスラムなんかどうすんだ、アラビア文字書くのか、韓国人はハングル書くのか、とか色々疑問が湧いてしまう。結局の所、キラは世界中の文字に精通していなければ、新世界の神にはなれないわけだ。いやあ大変そうですね。神になるのは。
 ノートのページがなくならないってのも恐いですね。生えてくるんですかね、ページが。ひいい~!
 キラたちは、名前を書き間違えませんが、消しゴムで消しても訂正できないから、間違えるといちいち書き直して超面倒です。そもそも俺の汚い字なんて識別してくれるのか?(爆)
 ともあれ、こういった作品が、若者がゲーム感覚で殺人を犯すことを助長し、凶悪犯罪をなんの罪の意識もなく行ってしまうことが増えるのではないか、などというもう何十年も前から繰り返されてきた陳腐な警告など今更、言うまい。どんなに残酷で奇想天外な作品が出ようと、読むだけなら何の罪にもならず、また、それらの作品を少年たちの目から完全に隔離することが不可能な現在、情報を与えないことは寧ろ検閲である。子供の頃、本をたくさん読み多くの人と話すことで現実と空想の世界をきっちりと識別させる能力さえ身につけさせれば、大きくなってから、リセットするため家に火をつけるなんてバカな青少年も出てこないはずなのだが・・・。

レベルE (Vol.1)

レベルE (Vol.1)

  • 作者: 冨樫 義博
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 1996/03
  • メディア: コミック

大草原の小さな家 第1集

大草原の小さな家 第1集

  • 出版社/メーカー: 東芝ファミリークラブ
  • 発売日: 2001/09/17
  • メディア: ビデオ


死んだ子供を生き返らせる為、更に高い山へ登ろうとするローラ。そんなローラを助ける謎の老人。探しにきた父に紹介しようと振り返った時、老人は忽然と姿を消す。果たして老人は神だったのか?当時は子供心に感動した作品。子供はデスノートばっかり見てないでたまにはこういうのも(爆)!


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:コミック

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。