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むいから民家園に見る神々 [美術展/博物館感想]


狛江市立古民家園の荒井家住宅主屋(江戸末期の様式の復元)では
荒神はヘッツイ(ご飯を炊く釜)の上部の天井との間に、柱に小さい棚を設けて祀っていた。斜めに太さ均等の牛蒡注連を張り、装束を三本下げている。
荒神様のおたち(10月31日):荒神様はかまどの神様である。36人の子供がいると言われ、出雲へお立ちになる荒神様に、南天の葉を敷いた枡に入れた36個のオカマノダンゴやボタモチ、お立ちソバ等を供える。
荒神様の中帰り(11月15日):荒神様が1日様子を見に帰る。里芋,ヤツガシラを供える。稲作以前のタロ芋系の儀礼の名残りとも考えられる。
荒神様のお帰り(11月30日):小豆飯,ソバ,小豆粥にうどんを入れたドジョウ粥を供える。荒神様の棚の前に置いた焙烙で藁を焚き「この明かりでお立ち下さい」と唱える。


http://www.city.komae.tokyo.jp/index.cfm/11,3302,100,247,html


神棚は、ザシキ奥のチャノマとの境の天井近くに、チャノマを背にして祀っていた。左が細い大根注連を張っている。


一般煮焚き用のオオガマ。燃料に薪を使わない

飯炊き用などのヘッツイ

トンボグチ

セエノカミ(賽の神):1月11日頃から子供達が年末の煤払いの孟宗竹を心柱に正月の松飾,神札,大根注連などと藁で円錐状の小屋を作り先端に達磨(元は赤い装束)を吊るす。また通行人にお神酒銭をねだる。小屋の内部には炉があり餅を焼いて一晩明かし、14日朝に小屋を焼く。
小屋に泊まる行為はケガレを取り除く忌み籠りを示し、小屋から子供が出てくることで再生(誕生)を表す。また子供は節分の鬼同様、年の変わり目に出現する異型者(農耕神)と解される。小屋のご神体としてドウロクジン(とうじん棒)と呼ぶ20cm位の石臼や男根の形をした石があり、部落間で盗り合うが、これは性的豊饒を祈願している。残り火でマユダマを焼いて食べると蛇除けになるとか灰を畑に撒くと害虫が付かないとか燃えさしの竹を流しの下に入れるヤスデが湧かないという伝えは害虫駆除の鎮送呪術である。また「鍬払い」と言って燃えさしの竹で鍬の泥を落とすと足を切らないと言われる。更に燃えさしの竹で「なるかならぬかならぬとぶった切るぞ」と唱えながら柿の木を叩く。これは「成木責め」と呼ばれ豊饒を願う行為である。

柿渋染め:柿を潰して発酵させた染料を使う。防腐・防水効果があり、魚網などに用いられた。

地図:http://map.yahoo.co.jp/pl?lat=35%2F37%2F42.504&lon=139%2F34%2F28.552&layer=1&sc=3&mode=map&size=s&pointer=on&p=&CE.x=316&CE.y=181


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