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国家、民族主義という箱物の限界 [心象風景]

日本国、日本民族という中央集権的な概念は明治時代以降に作られた新しい概念であり、それ以前は、薩摩、長州、加賀、播磨など日本は多くの国(自治政府)に別れ、それを幕府が束ねてていたに過ぎない。全くの私見だが琉球弁や津軽弁は標準語に対する方言とは異なった別言語であり、その文化、音楽、民俗も独自のものであると思う(無論、”青森県人、沖縄県人が日本人ではない”などといった差別的な誤解の意味合いは全くないことを付け加えておく)。
 明治時代以降、中央集権国家として日本国、日本民族という意識で地域を塗りつぶしているに過ぎない。そもそも日本民族という単一民族は存在しない。中国、東南アジア、インド、シベリア、朝鮮半島から幾度となく日本列島に渡ってきた移民の集合体である。明治政府は国を手早くまとめるために鎌倉時代以降、政教分離を行っていた天皇を再び利用しあたかも日本人という単一民族があるかのごとく我々を誤魔化し、それは現在まで続いている。その証拠に天皇及び皇族の古墳は未だに発掘することは宮内庁によって許されておらず、我々は未だに自分の国の歴史を知るのに魏志倭人伝など他国の文献にたよらざるを得ないという誠に嘆かわしい状況(”空白の5世紀”など)である。しかし、今城塚古墳と継体天皇陵の関係など陵墓参考地の指定に科学的根拠はなく、且つ全国の先人の古墳が破壊されている現状を考えると先祖の魂を尊重するという観点から発掘を拒むのは間違いであり、ピラミッドのように発掘を行うことがすなわち墓の保存につながり引いては先祖への供養につながるのではないだろうか。宮内庁が陵墓参考地を発掘させないのはそこから日本列島の本当の歴史(例えば天皇家の出身地が中国や朝鮮半島だったとか)がわかることを恐れているのではないだろうか。天皇家のルーツがたとえ大陸にあっても良いではないか。国民がの自国の歴史を知ることができないのは誠に不幸なことである。
 20世紀は民族の世紀と呼ばれる。世界は民族主義という誤った考えによりサラエボやパレスチナで多くの血を流している。60億を超える人口が狭い地球にひしめくなか、もはや民族や国家といった入れ物は時代遅れな古臭い代物である。薄皮のような大気圏層のなか過去に何度も核爆発を起こした傲慢な人類は、宇宙空間に放り出されれば1秒も持たずに生きられない弱い存在に過ぎない。私はこの奇跡の星を愛し地球人であることに誇りを感じるが、日本という国の括りはもう限界を感じている。国境線は宇宙からは見えない。国境線は常に移動するものである。日本列島という地域と日本国を混同してはならない。私は生まれ故郷を愛している。日本列島の四季おりおりの自然を愛し、米や味噌汁や漬物や納豆やカツオのたたきを愛し、神社仏閣や仏像や石庭や水墨画を愛している。しかしそれは常に他地域の影響を受け育まれた文化でもある。日本は鎖国(実際にはオランダの海上権優先時代における日本貿易の独占であり、且つ中国とも貿易をしていた)という誤った歴史解釈によってあたかも国境線が確定し、世界から孤立した自給自足した社会を育んでいたように勘違いされてきた。それは明治政府が作り出した幻想であり、日本列島は常に世界とともにあり、地球の一地域に過ぎないのだ。アメリカなど各国が自国の利益のみを優先しブロック経済に走れば、再び国家間の戦争が勃発する。その結果、地球温暖化による大型ハリケーンの多発で手痛いしっぺ返しを受けている。中国ではかつて向こう岸が見えなかった黄河の水が枯れ、北極では過去最大の氷河縮小が起きている。もう地球以外に人間が住める場所は何処にもないのだ。この狭い星に国家間が民族主義をかかげ線を引き争いを繰り返す時代はもう終わりにすべきだ。日本人も中国人もアメリカ人もロシア人も黒人もアボリニジニも同じ人間ではないか。我々は国家という枠を超え地球人という概念で生きてももういいのではないだろうか。私が、敵味方を区別することなく慰霊した「平和の礎」を評価する理由はそこにある。憎しみの連鎖を断ち切り、民族間の差別を超えない限り、人類に真の平和と生存は生まれない。


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コメント 2

>琉球弁や津軽弁は標準語に対する方言とは異なった別言語であり、その文化、音楽、民俗も独自のものである。

これはちょっと違うのではないでしょうか。琉球の方言も津軽弁も古代の日本語がベースであって、文法や単語の成り立ちなど別言語ではありません。どこをとって別言語とされるのでしょうか。
また、文化・音楽・民俗は沖縄や青森でなくとも独自性はあり、どこかのブログでは、大阪など「ヤクザの街」というイメージだと強調されておりました。
by (2005-10-30 06:40) 

はなれざる

コメントありがとうございます。
以降のやりとりは不毛な展開のため、非公開とさせていただきます。
高圧的な発言がありましたことをお詫びいたします。
by はなれざる (2005-11-01 01:13) 

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