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『メランコリア』 [映画/DVD感想]

http://melancholia.jp/
世界の終末が来たら決して人は清く正しく美しくはいられない。これはそういう映画だ。
世界の終末に何か意味のあることを?バカげている。

世界の終末に親しい友人や家族と美味しい物を食べて笑って楽しく過ごす?できはしない。

あらゆる科学の力、宗教の力を否定した映画。

巨大な惑星が地球に衝突して地球が消し飛ぶ・・・極めて単純なストーリーだが映像は難解だ。あらゆる事物がまるで象徴派の絵画のように、切り取られ意味をなすように見えるが、ラストに向けて全て無になっていく。
どんでん返しはないが裏切られる。都合の良いラストは用意されていない。そこにヒーローも奇跡も存在しない。人々は突然の恐怖に怯え、抗い、泣き、最後は諦める。希望のない映画だが、不思議と恐怖感はなくとても美しく澄み切っている。非日常の世界では、道徳的と言われてきた行為こそ醜く、非道徳的と言われてきた行為こそ美しい、価値観の逆転、それを教えてくれる映画。


今だにスバイダーマンのメリー・ジェーンのイメージが強いキルスティン、そのイメージを払拭したかったのか、今回は汚れ役に挑戦、無意味に幾度か裸を見せている。しかしエロチシズムはあっても過剰ないやらしさではない。とは言え、その非道徳的行為はアベックを気まずい空気にすること請け合いだ。

かと言ってSFファンには、前半の結婚式の人間ドラマなど退屈極まるし、ラストは、え?これで終わり?みたいな終わり方だ。宇宙人もいなければ、惑星に核ミサイルを打ち込んだりもしない。

だからこの作品は一般的な観客層に支持されないだろう。

しかし、よく考えると人間が自分の死を見れないように、世界の終わりを誰も見ることができないのだから、ラストはあれで良いと私は思う。

タルコフスキー『サクリファイス』では、やはり世界の終わり(終末戦争。と言っても音だけだが)がやって来て、それを救うために“魔女”と呼ばれる女性と姦淫すれば世界は救われると聞いた主人公の男が、その儀式を実行した。果たして世界は何事もなかったかのように元に戻ったが、男は発狂してしまう。
対してこの作品は、“魔女”が世界を救わず滅ぼすことを選択したら?という『サクリファイス』に対する返答であるように思える。
キルスティンがその魔女であり、男たちは無能であり、己のことしか考えていない。今の世界に救う価値などない、そう魔女が判定を下した映画である。

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『忌野清志郎 ナニワ・サリバン・ショー~感度サイコー!!!~』 [映画/DVD感想]

http://www.nanisari.jp/
映画『忌野清志郎 ナニワ・サリバンショー 感度サイコー!!!』本日(11/26)公開!横浜ブルグ13に観に行ったぜ!

俺は清志郎のファンだから、2時間ずっと清志郎が歌ってればいいじゃん?と思ってしまうのだが、正直、「ゲストの頑張り過ぎだ!」(笑)

まあ、過去に行われたライブを繋ぎ合わせて、それに現在のミュージシャンや俳優の、大阪でのロケやラジオDJをやる様子を付け足した映画だからね(^_^;)ライブ内容としてはもう決まってるんですよ。でもゲストって俺の嫌いな奴も出てるじゃないスか。CHARAなんか2番歌詞忘れて黙っちゃうし。矢野顕子は自分の歌を清志郎に歌わせるし(笑)。中村獅童は勘違いした恰好で現れるし。
他の人は皆1曲しか歌わないのに坂本冬美だけいくら歌が上手いからって2曲も歌ってるし(笑)。

でも清志郎にはそれら全てを包み込んでしまう大きさがある。そしてゲストがどんなに目立とうと思っても清志郎が1番、目立つ。それでいてゲストに物凄い気を遣うんだよね。そして自分も目一杯動き回る・・・・こういう人は癌になりやすいんですよ(^_^;)。
働きすぎ、気を遣い過ぎです。

最後の曲、仲井戸麗市のギターによる『夜の散歩をしないかね』の清志郎の声は本当に美しい。清志郎の高校時代の同級生であり親友である三浦友和は『文藝別冊』で
「才能があってなおかつ誰よりも努力を重ねたとしても、どうしても手の届かない遥か遠い領域がある。それが天才と呼ばれる人たちがいる場所だ。高校当時から清志郎はまぎれもない天才だった。」
と清志郎を評すが、まさに天から授かった声である。
チャボの語りはもう言い尽くされた感があるがやはりこの人以外に最後を締められる人はいないだろう。

「スローバラード」では私は涙が出たし、
「うしろの奴らのために」では思わず声を出して皆さん笑っていた。

間寛平の淡々とした走りも良かった。

思うにゲストが目立つ構成は「清志郎のいなくなった今の世界」をきちんと描くためだったのかもしれない。 ただ思い出に浸るのではなく、清志郎の音楽を引き継ぐ者がこんなにいるんだ!と伝えるために・・・

映画館のライブは辛いスよ。立って歌えるわけじゃないしね。皆、そう考えたのか初日の夜でもガラガラだった。でも予想より遥かに面白かった。単なるライブ映像のドキュメンタリーではなく、ちゃんと映画になってた。
みんな見るべし!

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スカイライン [映画/DVD感想]


【Amazon.co.jp限定特典付き】スカイライン -征服- [DVD]

【Amazon.co.jp限定特典付き】スカイライン -征服- [DVD]

  • 出版社/メーカー: SHOCHIKU Co.,Ltd.(SH)(D)
  • メディア: DVD


http://skyline-movie.jp/m/index.html
見なけりゃ良かった。いや、出来が悪いとかいうのではなくて、むしろ良いんです。去年見たら星四つはあげられます。しかし今は・・暗澹たる気持ちにさせられました。だから星は一つもあげられません。震災前に見たかった。皆さんにも見ないことをお奨めします。

物語は、ある日突然やって来た残忍な宇宙人の大軍団に寄って、人間が虫ケラのように殺されわずか三日で地球は征服されてしまう、というもの。
登場人物たちは為す術もなく、ただ同じ場所を行ったり来たりしながら次々と虐殺されていく。絶望感の中、呆然と仰ぎ見るロスの明るい青空に浮かび上がるグロテスクな宇宙人と宇宙船の大軍団・・・

主役の女性が妊娠したことを早過ぎると喜ばない彼氏が、命をかけて恋人を守る豹変振りは納得がいかないが、こういう映画は心の描写など付け足しに過ぎない。機械と生物が融合したような宇宙人や宇宙船内部は『マトリックス』のロボットによく似ている。冒頭、夜にブラインド越しに宇宙人の放つ目の眩む光を覗くシーンは『未知との遭遇』へのオマージュだし、巨大型宇宙怪物の顔はプレデターやエイリアンの影響が見れるし、蛸型宇宙人が人間を探すシーンはスピルバーグの『宇宙戦争』を彷彿とさせる。彼らは人間の脳を使って再生できるので殺しても切りがない。

そしてもっとも恐ろしいのはこの映画には結末がないことだ。本来、こうした世界終末的SFホラー映画というのはハッピーエンドであれ悲劇的結末であれ、なんらかの決着をつけることで、人々は空想から解放され現実世界に戻れるのだが、この映画は安易に結末を付けないことで、映画を見終わった後も恐怖の余韻に捕われたままだ。

こういう映画がアメリカで作られることは、アメリカ国民の抱える漠然たる不安を表しているが、日本ではその不安が具体的な災厄となって起こってしまった。どんなに精密なCGを使った映像も現実の恐怖には敵わない。あの大津波で人や車や家が紙くずの様に流されていく有様を見、更に福島原発の建屋が爆発で吹き飛ぶ映像を見た後では。そもそもSFホラーというものは、現実の世界が不安な時、更に悲劇的な映像を見ることで、我々はこれに比べればまだ平和で安全だと感じ、現実世界の有り難みを知るのが魅力だ。現実世界が空想を越えてしまったらその映画に価値はない。
わざわざ宇宙人を連れて来なくても、人類は自然災害と自らの愚かさで簡単に滅んでしまえることをあの災厄は教えてくれた。むしろ三日で世界が終わる方がマシかもしれない。この先何十年も放射能と大地震の恐怖に怯えて暮らすのに比べれば。

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おんなの河童 [映画/DVD感想]

Image738.jpg『UNDERWATER LOVE -おんなの河童-』
監督:いまおかしんじ、撮影:クリストファー・ドイル、主演:正木佐和、カッパ:梅澤嘉朗、死神:守屋文雄、カッパと絡む同僚:成田愛
劇場:ポレポレ東中野
日独合作!
http://uwl-kappa.com/

とにかくすげえ映画だ!理屈はいらない。観れ!
エロとSFとミュージカルの融合!しかも超B級!そして笑える、泣ける、有り得ない映画。大体、撮影がジム・ジャームッシュ『リミッツ・オブ・コントロール』(←むちゃくちゃイイ映画)やウォン・カーウァイの作品を手掛けた人ですよ、それがこんな日本の場末でチープなピンク映画を(笑)・・・信じられません。なんか直前まで連絡が付かなくて撮影は一週間、NG無しの一発撮りだそうです。
物語は結婚を間近に控えた川口明日香のところに昔死んだ高校の同級生、青木哲也がカッパに生まれ変わってやってくる。明日香の同僚の島麗子になぜか気に入られ関係を持つが、実は明日香に死期が近いことを知り助けに来たのだ。そこへ死神が現れる。果たして哲也は明日香を守れるのか?・・・。全くみんな合っていない変な踊りがいい。カタコトの日本語で歌うドイツのミュージシャン、ステレオ・トータルの音楽がイイ。カッパのチープなマスクがいい。とにかくすべていい加減なのがよい。昨今のCG漬けの映画を見てるとこういう作品がむちゃくちゃ恋しくなる。しかもエロくて明るい。みんなとっても楽しそう[わーい(嬉しい顔)]カッパが明日香の婚約者に[指でOK]ってやるシーンは爆笑。正木佐和さんの底抜けに明るい笑顔と踊りもいいが、やっぱりこの映画の見所は成田愛だ。成田愛は以前、故・団鬼六のSM映画『Mの呪縛』(東銀座で)で観たことがあるがこの時はデビュー作ということもあって凄く演技が固かったんですが、今回は上手くなってましたね。カッパの童貞を奪うという凄い役柄なんですが、この人は服を着てる時はモデル顔負けなのに、脱ぐとお腹がポヨポヨ(笑)のポッチャリ体形ですっかり癒し系になってしまう、そのギャップが凄いんですね。ブログを読むと格闘技好きで道場の先生に破門にされたり、事務所をやめたり、旅に出て行方不明になったりした話を赤裸々に語る。しかもバリバリ丈夫そうに見えるのにしょっちゅう体壊してる。その人間臭いところが面白い。なんでもそうですが人間、完璧で一辺倒よりギャップがあって悩んでる方が興味があるんです。
成田愛さんと死神のカラフルな服装合戦もいいです。
本日(10月8日)、劇場入口挨拶有りで成田愛さんのサインを勢いで貰ってしまった。全くいい歳して何やってんだか(^_^;)。まあ、ガラガラで空いてたからできたんですが(笑)。画期的な映画なのに日本では理解されないのか、心配です(^_^;)。
売り方を間違ってるんじゃないか?。やっぱり入口でカッパがキュウリなんか配ってるからいけないんじゃないか?(笑)あのキュウリ、塩気が足りません。もっと塩を振ると客足もグーンと伸び・・・ないか(笑)

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痘痕~ [映画/DVD感想]

見ましたよ映画「AVATAR」
http://movies.foxjapan.com/avatar/

どちらかというとデビルマン(テレビ版)みたいな話です。そういえばどちらも顔青いし(笑)。
ある星で人類の地下資源開発のために犠牲になろうとしている宇宙人たちがいて、そこへ主人公が宇宙人に乗り移って、最初はスパイとして潜入するのですが、案の定、宇宙人の女と恋仲になり、人類を裏切り宇宙人たちを守るために戦う、というお話です。
裏切り者の名を受けて~♪

正直、3Dにする必要性が全然わかりません。案の定3Dはたいしたことないです。あれで2000円は高いでしょう!
大体3D眼鏡って眼鏡の上からなんとかかけられるようになってるけどしょっちゅうずり落ちてきちゃって映画に集中できません。是非ゴーグルの開発をお願いします。

まあ映像は綺麗ですけどそれだけです。熱帯の鳥や食虫植物をヒントにした感じ。

シガーニ・ウィーバーが出て来たのうれしかったです。彼女が宇宙人とリンクする装置から出て来る最初のシーンは、エイリアンで冬眠カプセルからでるリプリーを彷彿とさせます。たぶんそういうオマージュは絶対あると思います。

あと軍用の飛行機は「帰ってきたウルトラマン」のMATの飛行機みたいでした。

自分の顔で演技できない俳優さんはちょっと気の毒。

とにかく長い。退屈。途中ちょっとダレ気味。もう少しシーンカットしてもいいのでは。

宇宙人ナヴィが狩りをした獲物 に感謝をして魂は天国(エイワの元)に肉体は自分と一つになれと願うシーンは、なんとなくアイヌやオホーツク民族の風習と似ているようで良かったです。彼らが体に施す装飾もなかなか凝っています。

ターミネーター4の時も思ったんですけど主役のサム・ワーシントン、地味ですよね。悪役面でもないし美男子でもない。そういう中途半端なキャラだからサイボーグにされたり宇宙人にされたりしちゃうのかも(笑)。

やっぱりキャメロン人気ですよね。タイタニック今だ衰えず、です。


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「めがね」と眼鏡への様々な想い [映画/DVD感想]


めがね(3枚組) [DVD]

めがね(3枚組) [DVD]

  • 出版社/メーカー: VAP,INC(VAP)(D)
  • メディア: DVD


謎の南の島で、正体不明の宗教の教祖であるもたいまさこが、1年に1度、春に、食べるとこの世の苦痛から救われるというカキ氷と、万病予防になるというメルシー体操を携えて、布教活動に来る、というお話です(デタラメ)。

この映画は、1.5倍速再生でも普通に見えます。特にマンドリンの演奏なんか倍速でも全く無理がありません(笑)。いかに我々が普段セコセコ行動しているかわかろうというもの。

この映画は、環境ビデオです(笑)。大して事件もストーリーもなく淡々としているが、美しい海と海岸の風景が何処を撮っても絵になってしまうため得しているちょっとズルい作品です。余りに広大な空と海に画面はとても狭く感じられます。

私は細かいことが気になるので、小林聡美扮するタエコが、道端に不法投棄したジェラルミン製の巨大な旅行鞄が、どうなったのか最後まで気になって仕方がなかった。後でユージ扮する光石研が取り行ってくれるのかと思ったら、いつまでたってもタエコの部屋に、鞄は無いままだし・・・。最後、ハルナ扮する市川実日子の車で帰る時に、道に置き去りのままだった鞄を取って帰るのかも思ったら出て来ない・・・。そればかりか眼鏡まで不法投機する始末。幸い眼鏡は釣り上げられた様ですが、私なら絶対拾いに戻ります。なにせド近眼+乱視の私は眼鏡がないと歩行もできません。与論島から東京まで眼鏡無しで帰るなんて不可能です。だから私は旅先では破損しても大丈夫な様に必ず二つ持って行きます。眼鏡はレンズが高いですし、自分の目にあった眼鏡を作るのは大変ですし、近年はパニックで視力検査をしてるとすぐ気分が悪くなるため、余計な眼鏡作りはしたくありません。それにしても不思議なのは、旅行鞄がなくなったのに、小林聡美が毎日服を着替えていること。近所に気の利いた洋服屋も無さそうなのに・・・?。「かもめ食堂」でもたいまさこがやはり鞄を失いましたが、彼女は服を買いに行ってました。ヘルシンキは都会だし。

私は眼鏡は今5個ぐらい持っています。度入りのサングラスや水中ゴーグルを合わせると10個ぐらいでしょうか。とにかく、眼鏡がないと生きていけませんし、外すのは寝る時と風呂入る時と顔洗う時だけ。温泉や銭湯では付けて入ります。これは眼鏡をかけずに入って友達と他人を間違えて声をかけてしまったからです。私にとって眼鏡は感覚器官と同じ。でも子供の頃から苦痛の種でもあります。しょっちゅうメガネザルとか言われ苛められ、体育の球技では眼鏡を外せと言われ味方と敵の区別がつかず体育が2になったり、何度もコンタクトに挑戦しましたが、乱視が酷くハードでしか矯正できない為、異物感が耐えられなかったり、ものもらいがすぐできたりして諦めました。したまま寝て曲がったり、事故にあって道路に擦ったり、温泉の湯でプラスチックレンズを溶かしたりしてるのでどれもボロボロです。

この映画で眼鏡をしている人は、もたいさんを除くと皆、いかにも眼鏡をし慣れてないというか、普段はしていないでファッションでしている様に感じます。だからとってもかっこいいしピカピカだけど眼鏡に生活感が感じられません。私にとって眼鏡は必要悪で、しょっちゅう鼻や耳の感触が気になったり(鼻に肉がないのですぐ垂れめがねになる)、流行の形が気になったり、柔らかいとかキツいとか顔の印象が気になったりして悩むので、ダテ眼鏡をする人の気持ちが全くわかりません。知的に見える、なあんて言いますが、要は男にとって軟弱に見えるって事ですから。実際、知的に見えて私の様にバカだったら本当にカッコ悪いじゃないすか?(笑)

この映画での眼鏡の役割は恐らく、日常生活の象徴だと思います。都会とか仕事とか、過去のしがらみとかこだわりとかそういったものの象徴がめがねなんだと思います。だから、タエコが最後、眼鏡を捨てたのはこの旅によって、日常生活の悩みを捨て去った瞬間なんだと思います。そして過去の自分と決別し、新しい自分(眼鏡)に生まれ変わったタエコがラストシーンで出てきます。

この映画は、やたらみんな食ってます(笑)。加瀬亮はつまみもなしにあんなにビールばかり飲んで気持ち悪くならないのか心配です。カキ氷もいかにも寒そうです。私はお腹の弱い子なので、春にあんなに山盛り氷を食ったら一発で下ってしまうでしょう(笑)。う~ん胃の丈夫な登場人物たちが羨ましいです。

私は一人旅を時々しますが、薬師丸ひろ子が経営する宿のあんな建物の感じ、は旅先でよく泊まります。なんとなくリゾートしようとしているが貧相で失敗している安宿って感じ。しかも私は方向音痴なので宿にたどり着くまでぐるぐる迷うのです。さすがに農業をやれとは言われませんが、そういう宿(特にペンション)には安いだけに、食事や風呂に色々なルールというか制限があって結構気づかれすることもあるので、ああわかるわかると思ってしまいました。見た目は民宿とかいいんですが、人との触れ合いが苦手な私はなるべく人間関係を希薄にしたいので、ビジネスホテルが一番気楽ですね・・・。その点「ハマダ」は食事も起床も自由でいいですね。

この映画のテーマである“たそがれ”。私は普段、日常でたそがれているので旅先では、逆に凄く精力的に動き回ってしまいます。以前、ヨーロッパに卒業旅行した際、フリーツアーに同行した友人が、スペインのある村が気にいって、後の予定を全部キャンセルしてそこに何週間も滞在し続けたことがありましたが、私には絶対そんなことはできません。予め決めておいたスケジュールに沿ってパリ1泊、ウィーン1泊と強行日程をこなしていきました。今でもどこに行ってもくたくたになるまで散策・観光しまくってしまいます。元来、ケチな性格なので旅先では、もう二度とここには来れないかもしれないという思いが働いて観まくってしまうのです。もたいさんも「東京では車も人も多く閉塞した所で反対に広い空を想う。、ここは余りにもシチュエーションが、海があり風が吹き鳥の声が聞こえるだけで高い建物もないので、 たそがれる必要がない」とインタビューで仰っていましたが、凄く共感できます。私も都会生活に疲れた時、ふっと公園のベンチや多摩川の河原や、果ては自室でたそがれるので、もう人生そのものがたそがれているので(笑)、旅先という非日常では楽しくてたそがれる必要はまるで感じません。ユージはタエコに、ここは観光するところはない、と言っていましたが、いやいやとんでもない!青い海に白い砂、自然溢れる島の緑、もう観光しまくりじゃないですか!私なら風景写真撮りまくって、生き物観察しまくって、歩きまくって、自転車借りて走り回って、筋肉痛になることでしょう(笑)。だから旅先でたそがれる人は、日常は気を張って頑張って、たそがれない様にしている人なんですかね・・・。

前作「かもめ食堂」では主人公が初めての客のコーヒー代を無料にし続けたり、片桐はいりももたいまさこも無給で働き続けたりと、無欲な人たちによって「金銭の無駄」が描かれていたと思います。つまり、お金を稼ぐ=働く ではない、金を稼ぐことは幸せにとってそんなに重要なことではないというテーマがあった様に思いますが、「めがね」では更に「労働の無駄」も説いている様の思えます。ただ、それが南の島伝説によって描かれているのはどうなのか。南の島では働かなくても食べて行けるという信仰が昔からあって映画でも良く使われます。「男はつらいよ 寅次郎紅の花」でも南の島で、島の人が色々海産物などをくれるので働きもせずのんびり余生の様な生活を送る寅次郎とリリーの姿が、描かれていたが、 「めがね」の宿の主人も巨大な海老をたくさんもらったりして、そういう暮らしをしているようだ。しかあし!沖縄県の失業率を考えるとそんなものは所詮、夢物語ではないか!と思ってしまう私はつまらない人間なのだろう。ああ一生遊んで暮らしたい!

タエコ先生と加瀬亮のただれた関係、もっと掘り下げて欲しかったですね(笑) 教師と生徒の許されぬ恋なのか?、それが原因で教師を辞め加瀬亮にも迷惑をかけまいと恋も諦め、南の島に逃避行してきたタエコを加瀬亮が追ってきたのか?妄想が膨らみます(笑)。

市川実日子は校庭でサンダルで思いっきりサッカーボールを蹴っていたので生爪はがさないか心配です(笑)。

大貫妙子の曲、さすが素晴らしいですが、映画の雰囲気に合っていない気がします。もっと悲しみ苦しみを含んだ内容が込められたストーリーでないと・・・。

付録ディスクの「めがねの休日」最高です。本編より面白いです。もたいさんの声に大笑いです。

付録ディスクの「朝のたそがれ」テーマソングがくどすぎます!疲れました。私は15話目が好きです。光石 研のため息がなんとも言えません。この人はなぜか全体的にカマっぽく扱われていますね? 字幕の「妙子にだけは見せるな」って主人公タエコのことかと思って、小林聡美も一緒に踊っていたのになぜ???って思ったら、ああ大貫妙子のことか!と思い直しました。本当はどっちなんでしょう?(笑)


<参考>


かもめ食堂 [DVD]

かもめ食堂 [DVD]

  • 出版社/メーカー: バップ
  • メディア: DVD



男はつらいよ 寅次郎紅の花 [DVD]

男はつらいよ 寅次郎紅の花 [DVD]

  • 出版社/メーカー: 松竹
  • メディア: DVD



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「スカイ・クロラ」中途半端が心地良い [映画/DVD感想]

http://sky.crawlers.jp/index.html

スカイ・クロラ ナビゲーター

スカイ・クロラ ナビゲーター

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 日本テレビ放送網
  • 発売日: 2008/07/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


ちょっと前になりますが、観ました。
ラストはやや物足りないですが、音楽も声も科白も映像もメカも世界観もとても良かったです。ただ、犬は要らない(笑)。押井氏はどうしても映画に自分の愛犬を出したいらしいが、私は犬が大嫌い(http://hanarezaru-bibi.blog.so-net.ne.jp/2005-06-04)なので、是非、ウサギかイグアナにして欲しい(笑)。

でも周囲の評判は"?"っていう人が多かったです。
私としては、イノセンスの格言合戦より科白はわかりやすかったし、アヴァロンのびっくりどっきりメカより戦闘機はかっこよかったと思うのですが・・・。事前に”これは恋愛映画だ”という女性客寄せのフレコミがあったために、「花より男子 ファイナル」が大好きの様な人々が恋愛映画のつもりで観に行って、単なる戦争映画なことに唖然としたり、”今の若い人たちに伝えたいことがある”とか押井氏がメディアで語ってたために、それを真に受けて映画の中に必至にメッセージを探そうして悩んだ人が多かったのかもしれない。まあ、確かに「花より男子」の様な、観客が楽しむために作られた、流行に媚びた映画と一緒の感覚で見られると、押井氏の単なる自己満足的なけしからん映画と取られてしまうし、宮崎アニメの様に自然や愛や平和に関する分かりやすいメッセージが込められた、子供も安心して見られる様な内容ではないので、難解!と取られてしまうのだろうが、それは比べる対象が間違っている。これは、押井氏の好きな物だけ集め散りばめて、共感できる人だけに良さが伝わればいい、というワガママな映画なので、まあ、そうは言っても勘違いして劇場に来てくれる人からの利益も胸算用のうちなので”メッセージ”とか”恋愛”とかいう言葉に騙された人は気の毒である。こういう「スターウォーズ」的な男の身勝手な夢物語映画は当然ながら現実的な考えをする女性陣にはウケは悪いと思う。
一方、従来の押井ファンにしてみれば、声に菊池凛子や栗山千明(「特急田中3号」は良かった!)を使ったりして、充分、世間に媚びてると取られるかもしれない。要するにどの客層にもターゲットを絞りきれてない内容なのであるが、熱心な押井ファンでもなければ、恋愛ドラマ好きでもない私には、この中途半端さが逆に心地よい。

菊池凛子は、「バベル」で意味もなくやたら脱ぎまくっていたが、それでいて全然いやらしさがなかった。モンゴロイドはコーカソイドよりもネオテニー化が進んでいるので、僕らから見ればオバサン顔女子高生でも欧米人から見れば、日本人は背が低くて幼顔でとても若く見えるので違和感がないのだろうが。そんな大人と子供が入り混じった雰囲気が、成長しない子供=キルドレのイメージとダブって監督には見えたのかもしれない。そして草薙水素も唐突に服をぬぎぬぎし出すしね(笑)

それにしても散香は翼の後ろにプロペラが付いててどうやって揚力が生まれるのか不思議だ。あれではスカイリィにやられるのも当然だろう。

ステルス機みたいなロストック社の重爆撃機が爆弾を落としつつじわじわ進んで飛ぶ様はなかなか迫力がある。

音楽が素晴らしかった。基本的にイノセンスの延長で非常に洒落た内容だが、出撃シーンの空気を切り裂く雰囲気には、攻殻の”ヌエ”コーラスが健在だった。

建物や家具、車や電話に到るまで実に古臭いアンティークなこだわりがある。戦闘機も全てプロペラだし、第ニ次大戦の頃を意識した世相だろう。そこで間違って携帯電話など出さない所が良い。パソコンはあるようだがわざわざキーの音をタイプライターにするこだわり様。ただ、店のかべかけテレビみたいのは唯一現代くさいが。お得意の近未来風ローテク/ハイテク入り混じり世界観である。キルドレにしてもその存在を明かすだけで生産過程は明かさない。その街の世界観は、路面電車など「アヴァロン」の延長線上にあるポーランドの風景である。確か、NHKの子供に授業を行う番組で押井氏は「見慣れた街の風景も誰もいない状態だとまるで違ったものに見える」と教えていたように、「アヴァロン」でも「スカイ・クロラ」でも、主要キャラ意外は人の気配がない、死に絶えた夜の街というのがクローズアップされている。「天使の卵」や「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」もそうだった。恐らく押井氏は活気ある人間の姿が鬱陶しくて好きではないのでは?。私もそういう嗜好があるのでこの世界観はとても馴染む。さらに戦場の景色も私の大好きな巨石の並ぶ風景である。続石にしろゴトビキ岩にしろ、巨石を神の依代として崇める古代信仰は世界中にあるが、なんといってもその最も著名なのはストーンヘンジであり、ケルト民族であろう。本作品にはそうしたメンヒルやストーンサークルに丁寧に古代文字まであしらったアイルランドの風景がストーリーとは全く無関係に点在している。こうした画の挿入こそかつて押井氏が言った「映画とはキャスティングやストーリー中心で作るものではなく、カメラに寄って切り取られる世界そのものをもって世に問うもの」ということなのだろう。だからそれらの風景やオブジェ、草薙水素の科白に意味なんか求めてはいけない。ただ映像美を楽しめばいいと思う。

これは恋愛映画ではない。恋愛映画とは出会いから結末に到るまでの長いジタバタした過程を描いたもので、現実は映画のようには行かずもっとドロドロしたものだろうが、「スカイ・クロラ」では、前世に恋人だったとはいえ、カンナミ・ユーイチには記憶がないのだから、フーコーや草薙水素の様にいきなり言い寄って来て唐突に服を脱ぎ始めるのはおかしいというか、恋愛のめんどくさい手間を省いたものである。つまりこれは男の夢であって、男とは元来、女性の好むムード作りとか雰囲気とか前置きはどーでもいいと思っている生き物なので、この映画の描く男女の形は極めて風俗的である(実際フーコはコールガールだしね)。
この映画の男女の出会いとクライマックス(でもSEXシーンなど肝心な所は描いていない)しか表現しておらず、人間的な部分を極力排除している。登場人物の顔も「イノセンス」が更に発展した能面のようで、血が通っていない。そしてとにかくカッコつけてる。笑えるシーンといえばボーリングでの、トキノ・ナオフミがストライクを出した後、二人が醒めてるシーンあるぐらいで、非常に淡々としている。例えば、大型冷蔵庫を開けた時、同じハイネケン風柄のビールだけがずらりと並んでいるように。普通、冷蔵庫ならバトワイザー柄や一番絞り柄やペットボトルやら牛乳やら色んな飲み物が混ざっているのが人間らしさだが、そういった個性が一切ない。そういうアニメ全体の雰囲気をとことん壊さない信念は流石だと思う。

それにしても草薙水素の目が怖くてよかった。あとササクラ・トワの目のクマが、「イノセンス」のハラウェイみたいで良かったっす。トキノ・ナオフミはトグサくんに雰囲気が似ている気がします。

原作は読んでないので全然知りません(笑)

ユダガワ・アイズが死んだあと、アイハラに生まれ変わってまた同じ様に新聞をたたむシーンは「イノセンス」でバトーとトグサがロクソ・ソルス社で受けた攻撃と同じで何回も同じシーンが繰り返される手法であるが正直あの時は3回目はくどい!と思ったが、今回は少ないので飽きなかった。

アンヌ隊員の声は知らなかった。もっと重要な役をあげて欲しいな。

”平和を実感するための終わりなき戦争”というのは、テーマとしては面白いが、戦争目的としては納得できない。戦争を子供にやらせている必要性も理解できないし。体は子供なのにSEXできるのもよくわからん(笑)。この映画はそういうことをむしろ考えない方が楽しめると思う。

アヴァロン Avalon

アヴァロン Avalon

  • 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
  • メディア: DVD



イノセンス スタンダード版

イノセンス スタンダード版

  • 出版社/メーカー: ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
  • メディア: DVD



バベル スタンダードエディション

バベル スタンダードエディション

  • 出版社/メーカー: ギャガ・コミュニケーションズ
  • メディア: DVD



特急田中3号 DVD BOX

特急田中3号 DVD BOX

  • 出版社/メーカー: メディアファクトリー
  • メディア: DVD


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ディープな郷愁「蟲師」 [映画/DVD感想]

蟲師 其ノ壱

蟲師 其ノ壱

  • 出版社/メーカー: エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ
  • 発売日: 2006/01/25
  • メディア: DVD

非常に原作に忠実なアニメである。

主題歌に英語の歌を持ってくるところは面白い。不思議とよく合っている。

特に音がいいですね。虫の音、風の音、鈴の音、それらに邪魔にならない効果音が心地良いです。

絵もすっきりしてるし、自然も美しい。人の眼がいいですね。吸い込まれるようで。

時代が不明。一見、江戸時代のようにも思えるが農家や漁村なら昭和初期でもイケるかも・・。

ギンコ一人が現代風(ポロシャツ?ゴルフに行く様な格好)なので、周囲の人が怪しまないのが不思議。周りから完全に浮いた存在。まるで現代からタイムスリップした人のよう。読者と漫画の時代を繋ぐ案内人。だからギンコは、当然主人公ではなく、製作側もいかに主人公らしさを消すか苦労したそうで、その結果、放映時に主人公は誰という問い合わせがあったらしいので、その点は製作者の意図が見事に反映されていると言えよう。主人公が見えにくいというのは昔だったらアニメにしにくかったんだろうなぁ。でも今は深夜に大人向けアニメをやってる時代だから、あの「墓場鬼太郎」だってそのまんまアニメ化されてる時代だからなあ。あんなの昔だったら絶対完全懲悪ものに変わってますよね。 ただ蟲師はもっと冒険しても良かったかなとも思う。光線技出せとは言わないまでも。まあこれはこれで好きですが・・・。夜中の雰囲気に合ってるかも。怖くて眠れなくなりそうですが。

「蟲師」の世界には村や町はあるが、国とか県とか藩とか政府といった行政機関が出てこない。支配者がいない。年貢とか税金の類もない。関所もない。人々は生活のためだけに働いている。それが自由にギンコが旅をできる条件。そういう意味ではクニが生まれる以前の古代のような雰囲気もある。現代は何かと制約が多いからギンコの様に自由に旅ができたらいいですね。本来、行政機関なんて人間が生きていく不要なものですよ。きっと。見終わったら絶対旅に出たくなります。

でもギンコが背負ってる箱って絶対、肩こるっていうか、骨とかに当たって痛そう・・・。着替とかどこに入ってるんですかね?不思議。

先日、民俗学を専攻した人に話しを聞いたら、やっぱり民俗学好きの人たちの間では絶対蟲師は話題になるのだとか。

古き良き日本(いいとこ取りですが)に、私も含め皆帰りたいのだと思います。もう温泉ぐらいじゃ癒されません。

墓場鬼太郎 (1) (角川文庫―貸本まんが復刻版 (み18-7))

墓場鬼太郎 (1) (角川文庫―貸本まんが復刻版 (み18-7))

  • 作者: 水木 しげる
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2006/08
  • メディア: 文庫

 


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それでいいのか?「攻殻機動隊 Solid State Society」 [映画/DVD感想]

攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society

攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society

  • 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
  • 発売日: 2006/11/24
  • メディア: DVD

友達に貸していただきました。感想・返却が大変、遅延しててすみません!

相変わらずカッコいいんですが、

なんか普通のアニメになってしまった気がします。和中折衷のダウンタウンとか出ないし。やっぱり押井守がいないとストーリーと全く無関係な怪しいカットとか入らなくてただ淡々としちゃうんですねぇ~。 あと車の宣伝が気に入らないですね。私、車嫌いなんで(笑)。攻殻の時代は車の燃料はなんだか知らんが、やっぱり車は地球温暖化の原因として印象が悪いよね。バトーも時代に逆行したバカでかい車、操ってたし。

人形使いの次は傀儡廻しって、犯人のネーミングが安易でひねりがない。

大体、「個人的推論にのっとった捜査活動」ってなんすか?(笑)バトーの単なるわがままじゃないすか。それによって新人である筈のトグサがなぜかリーダーに。他の古参メンバーはひがまないのか?

 草薙素子の場合はもっと凄いよね。組織の機密を抱えたまま、失踪!にも関わらずなぜか素子も、「個人的推論にのっとった捜査活動」をしていて(組織では解決できない事件に個人的に介入って言われてもねぇ~。公安を離れたのに捜査活動している理由が”身勝手な正義感”っていうだけでは余りに無理がある。だって素子はそんなに正義の味方には見えないもん!)、そしてまたあっさり何の理由もなく(バトーが呆れ気味に「色々やって気が済んだか?」って素子に言うシーンが笑える。)9課に戻って来て、特に謝罪もなく、失踪の理由も言わずにすんなり受け入れられて、荒巻は何にも咎めないし、おいおい公安9課ってどういう組織なんだよ!?スパイ活動しているような組織がそんな機密情報の持ち出しにゆるゆるでいいのか?弱腰過ぎるぞ荒巻!組織が嫌になってネットに飛び出したのにまた組織が良いなんて勝手過ぎるぞ草薙素子!なんでも「ネットは広大だわ」だけ言ってりゃ許されるんかい!やっぱりこの時代になっても公務員はクビにならないってことかぁ~

そして可愛そうなのはトグサだ。マテバへのこだわりも捨て(でも自殺する時はマテバを使ってましたな。やっぱ最後死ぬ時はマテバで死にたいのか)、本当の職業(奥さんに嘘をついてさぞ怒られたことだろう)も家族に打ち明け頑張ってきたのに、バトーには好き勝手なことやられた挙句、素子さんと会ったことも最初秘密にされるし、子供は傀儡廻しに利用されるし、操られて自殺させられるし、最後に素子さんが帰ってきて、恐らく出世も取り消しだろう。ああ、君はなんてツイていない男なんだ!

それにしてもバトーは素子が帰ってきて嬉しくてしょーがないみたい(爆)。「色々やって気が済んだか?」って素子に言いながら嬉しそうに笑ってるし、最後に素子の肩を抱くシーンはほとんどいやらしい中年の親父だ。あのストイックなバトーはどこに行ったんだ!おまけにわがまま素子ですらトグサに罪悪感を感じてるのにバトーは、なぁに気にするな!ってなげやりな態度だし。ああ可愛そうなトグサ!

タチコマだって前回死んだハズじゃ?まあそれはいいけど、元のまんまっていうのはさ・・・・。せめて色変えてタチコマンズで出るとかひねりが欲しいよね。それにしてもタチコマの実物を作るとやっぱりお尻が重くてひっくり返るんですなぁ。物理的に不自然な形だもんねぇ。しかもあそこに人が乗るんだから絶対ひっくり返るよな~。愚連隊ウチコマンズは良かったよ!

やっぱり攻殻は全体的にこのスタイルは限界っていうかもう飽きたっていうか、バージョンアップをはからないと無理があるかもね(マニアはそのまんまが嬉しいだろうけど)。「あれの代わりなどおらん」なんて荒巻も言ってたけど、組織はやっぱり補充がないと。今回、素子がいなくて

1.素子がいないままグダグダやる

2.素子があっさり帰ってくる

3.素子の代わりに凄い奴が入って来る

のどれかだと思ってたけど、まさか2.とは!だったら素子さんもバージョンアップして、ロケットパンチ飛ばすとか(爆)、背中から翼生やしてスクランブルダッシュするとか(爆)しないと・・・・だめ?

マジンガーZ BOX1(初回生産限定)

マジンガーZ BOX1(初回生産限定)

  • 出版社/メーカー: 東映ビデオ
  • メディア: DVD

 

散々遅れといてこんな文章ですいません。でもマジンガーZ大好きだったんです。超合金持ってたし・・・。


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永遠に終わらない祭は究極の夢 [映画/DVD感想]

うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー

うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー

  • 出版社/メーカー: 東宝ビデオ
  • 発売日: 2002/09/21
  • メディア: DVD


昨今友人から貸してもらいました。
押井守独特の“間”、ストーリーの進行とは全く無関係のカット(真夜中のチンドン屋のシーンなど)の挿入が多いのが、印象的で良かったです。
一見、浦島太郎の亀からの引用の様で、実はインドの世界観をも取り入れられている所が面白かった。即ち、古代インドでは、世界は中心に須弥山のある半球上の大地でその下を三頭の象が支えており更に、その象は一匹の巨大な亀の上に乗り、更に亀の下にはとぐろを巻いた大蛇がおり、大蛇の口は尻尾を咥えその体は長く天空を覆っていると考えられていた。この場合は須弥山があたるの家、象がチェリーや温泉マークになるわけだ。
夢は非常によく見ます。夢には2種類あって、このアニメの前半や「マトリックス」の様に現実と区別のつかない夢と、物語の後半の様に、夢の中で、夢とわかって行動している場合です。後者の場合には夢とはわかっていても、楽しかったり、スリルを味わいたくて目を醒まさないないでいることができる時もあります。そんな時は好きな時に夢から目覚めることができます。また、その逆に夢から醒めたくても目覚めることができない夢もあります。そんな時は「目が醒めた!」と思って、部屋で起き上がっても実は夢の続きだったりすることが良くあります。これは寝過ぎた時によく見ます。このアニメの後半でも夢の世界からなかなか抜けれない場面がありますが、ああわかるわかると頷いてしまいます。また夢の中で何時間も下手すると何日も経っていることもあります。物語ではそうした現実世界との時間のずれを竜宮上に例えています。考えてみれば一晩という短い時間の中で、中学生の頃に戻ってしまったり、時には何ヶ月も経ってしまったり、冬なのに夏休みの夢を見たりと、夢の世界というのは身近でありながら、本当に時間を超越した不思議な世界です。子供の頃夢中になって読んだ、大晦日の一晩に1年間の冒険をする「クレヨン王国の十二か月」を懐かしく思い出しました。
 物語には獏が出てきますが、このアニメでは獏はブタの姿をしているのですが本来、ブタは偶蹄目でウシの仲間、バクは奇蹄目でウマの仲間と全く違うので、わかりやすい動物を持って来るならむしろ、馬や犀を持って来た方が近縁なんだけどなぁと下らないことを思ってしまいました。もっともこの獏はバクと違って空想上の動物で、悪夢を食べてくれるありがたい動物で、諸星大二郎の「妖怪ハンター」の「六福神」という話では、お守りのお札として使われていたのを思い起こしました。
 このアニメを見て、学生の頃、文化祭実行委員会というのをやっていて学校の茶道部の畳部屋に1週間前位から強制的に泊り込まされたことを思い出しました。私は自転車通学で家がすぐ近くなのに、なぜ泊り込む必要があったのか今もって皆目見当がつきませんが、風呂に入るのもわざわざ近所の一人暮らしの先輩の部屋に借りに行ったり、飯も家に帰って食べれば早いのに買出しに行ったりと全く無意味なことをしていました。要は体育会系なノリというか軍隊的団体行動精神論というか、家が近い遠いではなく皆そろって同じ行動を取るという所に主眼点が置かれていたようです。しかし畳部屋は蚊だらけで眠れやしないし、とても今となっては良い思い出でした!とは語れません。結局、その強制宿泊が嫌で実行委員会自体は1年で辞めてしまいましたが、その後も文化祭には深く関わってました。でも祭りは楽しかったですねぇ。ポスターやパンフレット作ったり、立て看板にペンキで絵を描いたり、模造紙にマジックで書いたり写真を引き延ばした展示を飾ったり、プラネタリウムや即身仏の人形やジオラマを作ったり、OBが訪ねてきて差し入れをいっぱいもらったり、映画会を上映したり、舞台の裏方をやったり、食材の仕入れをしたり、厨房で料理や皿洗いして、落としたひき肉をそのまま混ぜて出しちゃったり、団子屋の客引きをしたり、野外ライブの進行表を作ってキュー出しをしたり、デモテープの審査をしたり、そして最後は打ち上げのどんちゃん騒ぎと、やあ、準備から本番まで本当に面白かった。大抵の人は学園祭なんて学校が休みの日、ぐらいの感覚しかなかったと思いますが、僕らにとっては1年で一番楽しいウキウキした黄金の日々でした。この映画のように何時までも文化祭の準備が永久に続いていればこんな楽しいことはないですね。まさに永遠の夏っていう感じです。大人になってからはこうした祭りの準備ができなくて寂しいです

マトリックス

マトリックス

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • 発売日: 2006/07/21
  • メディア: DVD


妖怪ハンター (水の巻)

妖怪ハンター (水の巻)

  • 作者: 諸星 大二郎
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2005/12/13
  • メディア: 文庫


クレヨン王国の十二か月

クレヨン王国の十二か月

  • 作者: 福永 令三
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1980/11
  • メディア: 新書


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