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紀子さまご出産に見る”乖離” [児童問題/少子化]

 世間では、「紀子さま男児ご出産」で盛り上がっていることになっているらしい。それにしてもこういうニュース(特に慶事)があるとどうして、「頭がゆるそうに見えるオバサン」ばかりが、ニュースの街灯インタビューで放送されるのか不思議でならない。
 一点だけ、「これで景気が良くなって欲しい」というオバサンの感想は面白かった。あれ?景気って回復したんじゃなかったっけ?(爆)。政府のインチキ統計を全く無視したこのコメントは、実感なき好況を反映していて滑稽であった。
 本来、メディアというものは報道に公平でなければならないのに、どうも世論・大衆というものは画一的な同レベルの意見しか持たないと看做されがちだ。例えば、この件に関して、世間の雅子様に関する感想なんてものは、極力報道を避けているとしか思えない。巷では雅子さまは、皇后の器ではなかったなんて酷い意見も言う人もいる。一方で、これで男子出産の重圧から解放され(愛子様も皇位継承の重責から解放され)、病状も快方に向かうのではという見方もある。はたまた、いや皇室で、雅子さまの居場所が益々無くなるのでは?という見方もある。
 私は雅子さまは、この皇室の狂ったシステムの被害者としてとてもお気の毒であると思う。今時、男子以外は価値がないなんて、時代錯誤も甚だしい。いや、明治以前は女性の天皇もいらっしゃったのだから、時代錯誤以前、古代以前の発想だ。なぜこんな誤った法律が今のこの平等を掲げる民主主義国家日本でまかり通っているのか不思議でならない。
 少子化の昨今、日本の新しい人口が増えるのはなんにせよ喜ばしい(しかし皇族は、そもそも日本の人口統計に含まれているのでしょうか?よくわかりません。誰か教えて下さい)。しかし今回のご出産で、皇室典範の改正が何十年も伸びてしまったことは残念な思いである。
 それにしても今、日本でこれほどご誕生を待望された子供は、一体どの位いるだろうか。今や子供達にとって受難の時代。紀子さまは3人目をお産みになったというのに、世間では子供たちは、金がかかると邪魔者扱い。時に、しょちゅう虐待され、暴行され、惨殺され、もうどれがどの事件だかわからない有様。親は経済、安全面から子供を作らないか良くて一人が精一杯。世間と皇室の世界の乖離は、益々酷くなるばかりだ。
 かといってどんなに科学が発達しても出産は、命がけの行為であることに何ら変わりはない。先日も横浜の病院で助産婦の資格を持っていない人間が対応したために妊婦が出血多量で死亡した事件があった。私の知り合いにも若くして妊娠中毒症でお亡くなりになった方がいる。そんな命がけの行為を、全国で助産婦がたった2万人強しかいない国で産め!ということがどだい無理な話である。埼玉県の某市に住んでいる私の知り合いは、出産に際して、自分の住んでいる市に助産婦が一人もいなかった為、やむを得ず他の市で産んだと言っていた。首都圏の埼玉でこれだ。地方では更に深刻な状況だろう。にも係らず政府の少子化対策は相変わらずとんちんかんで的外れだ。今回の少子化はそもそも、「会社」「結婚」という二つのシステムの崩壊にも係らず、世間の規範は、相変わらずこの2つを大前提に動いていることが問題なのだ。
 ともあれ今回の慶事を機に出産ラッシュ・ベビーブームが自然にやって来るなんて甘い期待は捨てた方が良い。そして今回の件が雅子さまのご症状に良い影響だけを与えるよう心から願う次第である。


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Flying Dog(さまよえる犬)

そのとおりですね〜、さるさん。やっぱり早く皇室典範を改正して、男女問わず第一子が皇位継承するようにすべきです。こんな問題がおきないために。
うちのほうの病院も産婦人科がどんどん廃業してます。そして産婦人科のある大病院は予約がいっぱいです。これで無事に子どもが産めるんだろうか、ふつうの出産じゃないばあいなんかどうすればいいんでしょう。
やっぱり、ベビーラッシュなんか来ないでしょ。
by Flying Dog(さまよえる犬) (2006-09-11 22:17) 

はなれざる

コメントありがとうございます。最近、自然界で離れ猿が、特殊な条件下で群れの子供を殺すことがある、という本を読んでハンドルネームを改名したくなりましたが、その原因がサルの雄優位社会と人間の餌付け等による人為的影響が重なって起きると知って、猿の生態系を破壊する人間の罪深さと、猿の雄優位社会性が人間の児童殺害や果ては戦争にまで起因していることを知りました。猿でもボノボなど雌優位社会の種では子殺しは起きないそうで、人間も雌優位社会にすればいいのに、と思いました。
by はなれざる (2006-09-16 18:20) 

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