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ブラジルが産油国?日本は石油をかき集めろ! [資源問題]

http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20051228AT1D2701Z27122005.html
 ブラジルの石油会社が、原油価格の問題で日本企業との交渉を打ち切った。

 ブラジルに油田?ブラジルに石油輸出国に変わったことは、あまり知られていない。従来のブラジルのイメージというとアマゾンのジャングルとアナコンダ・ピラニア、コーヒー、”暑い”、リオのカーニバル、と油田のイメージは全然ない。むしろ、油田はブラジルとは対象的な中東の砂漠の国の産物というイメージがあるからだ。しかし、実際は、隣国のベネゼエラは古くから産油国として知られているし、ブラジルはロシア・カナダ・中国・アメリカに次ぐ世界第5位の面積を持ち、アンデス山脈の東側の安定陸塊に位置する国、メキシコ湾岸という世界有数の埋蔵量地域にも近く、石油が出る条件は揃っていたのだ。本日(12/30)もリオデジャネイロ沖で巨大油田が見つかったというニュースがあった。昨今は、BRICsの筆頭として新興国として経済も発展も著しく、近年までの経済不安からの治安の悪い社会のイメージはもうない。但し、ブラジルの経済発展は、アマゾンの著しい森林破壊に結びついており、貴重な動植物が失われるだけでなく、CO2増大による温暖化という地球規模の環境破壊という負の遺産と結びついており、大いに憂慮すべきだが。メソポタミア→エジプト→ギリシャ→ローマ→ヨーロッパ→アメリカと西回りで進んだ開発の終着点、地球最後のフロンティアであるブラジルはBRICsを代表とする新興国の中でもっとも将来が嘱望される国であると私は思う。広大な領土を持っていること(南アフリカは狭すぎる)、気候が温暖であること(ロシア、カナダは寒すぎる)、資源が豊富であること(中国、インドは資源がない)、人口が多過ぎず少な過ぎないこと(食料不足の観点から中国やインドは多過ぎる。労働力不足のオーストラリアは少な過ぎ)、未開発の地域が残っていること(中国、インドは開発され尽して森林がない)がその理由である。
 ブラジルの油田は大部分が海底にあり、開発には海外の大資本が必要になる。今回の油田開発には三井物産と住友商事が交渉に当っていたが、最終段階に入っていたため一方的な打ち切りは関係各方面にショックを与えることだろう。背景には昨今の石油価格高騰が原因として上げられており、価格が折り合わない結果から、有利に交渉を進められるブラジルにいわば日本は足元を見られた格好だ。
 今や経済の発展というか生き残りに石油確保は不可欠だ。ロシアを始めとして石油を持てる国は国際市場において優位に立つことができ、反面、中国を始めとする石油を持たざる国は、なりふり構わず世界中で石油を掻き集める政策を取っている。翻って日本を見ると石油の輸入先は相変わらず中東に偏っており、サハリンなど油田開発を進めるも、今ひとつ実を結ばない状況だ。そんな中の今回の交渉打ち切りは資源小国日本にとって大きな痛手である。近年、JALは塗装のない航空機の導入を計画している。塗装を無くすと重量削減から大幅な燃料削減を期待できるのだそうだが、アルミ剥き出しの銀色に輝くその機体は、広島に原爆を落としたB-29エノラ・ゲイを思わせ、寒々しい思いがする。石油がなければ飛行機は飛べない。車も走らない。船も走らない。ナイロンやポリエステルもない。プラスチックもない。世界中の埋蔵量に終わりが見えた今、化石燃料文明は終焉を迎えているが、世界は石油に変わる資源エネルギー(電力ではない!原子力、燃料電池、太陽光、風力は電気だけ!)を事実上見出せないでいる。そうなると石油がなくなれば時代は石炭を中心とする明治時代に戻ってしまう。残念ながら、我々は一度享受した便利で快適な生活をあっさり捨てられるほど悟りを開けていない。日本はもう少し中国を見習ってなりふり構わない資源確保に走らないと、大変なことになりますよ!

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コメント 6

なっとく

石油、原子力などあらゆるエネルギーは、最終的に熱に変換されます。
地球温暖化の防止策は、人口削減と欲望削減しかありません。
このまま行けば、2050年に人類の生存が許されないほど地球環境が悪化します。未来の地球人は、地底都市で暮らすか、宇宙服を着て暮らさないといけなくなりす。その前に生存を賭けた最終戦争がおこりそうで心配。
by なっとく (2006-01-02 11:12) 

はなれざる

コメントありがとうございます。
地底(ヤマト?)や宇宙(ガンダム?)は、おろか火星(ナデシコ?)でも生き残るのは無理だと思いますが、残念ながら地球環境を維持するリミットは切れてしまったので今となってのは残された日々を悪あがき(ロハス?)でもしながら只々生きて終焉の日を迎えるしかないですな。
by はなれざる (2006-01-02 14:34) 

なっとく

先が無いと言う意味では、絶望的気持ちになります。しかし、見方を変えれば、私たちは、人類文明の頂点の時代を生きている幸運に恵まれています。宇宙の存在意義など探求することもできます。禅、ヨガ、瞑想などで、自己探求を行い宇宙の神秘の”なぞ”を解くことすらできるかもしてません。
このような時代は、二度とこないかもしれません。今日、大吉二枚も!
by なっとく (2006-01-02 21:12) 

はなれざる

コメントありがとうございます。
おみくじは2回引いちゃいけませんよ~(^-^)/ (それとも二人で大吉ってことですか?)。今日、NHKのニュースで温暖化で日本の4.5倍、5億人が水没するとか。実際はもっと行くでしょうね。
http://www3.nhk.or.jp/news/2006/01/02/d20060102000067.html
by はなれざる (2006-01-03 00:27) 

an

そうは言っても1時エネルギーの半分以上が電力ですから
そして現在電力ではないエネルギーを使っているものは要するに経済性の問題と技術・インフラの問題ですから石油が高騰し、電力の競争力が上がれば電力に置き換わります
by an (2007-07-23 01:54) 

はなれざる

anさん コメントありがとうございます。
私はそうは思いません。やはり電気で飛行機は飛ばないように、全てのものが電気に置き換わるなんてことはあり得ないと思います。鉄腕アトムのイメージで原子力が燃料になってジェット噴射でもすると思われがちですが、現実は原子力は電気しか生まないのです。ガスコンロが電磁調理器に変わるイメージと混同されていらっしゃるのでは?
by はなれざる (2007-07-24 00:45) 

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