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人口減元年で一億総姥捨て山状態 [児童問題/少子化]

1899年に統計を取り始めて以来初めて、日本は今年人口減少に突入した。人口減少自体は、なにしろついこの間までは人口過密に悩んでいたぐらいだから悪いことではない。問題は、年代・地域による人口の極端な偏りによるバランス崩壊である。今や、地方では高齢者が高齢者を介護する時代、我々は無けなしの給料を叩いて年金を払い続けるが年金を納める世代層は減る一方、貰う世代は増える一方(年金で世界一周クルーズに行く老夫婦などは許せん!(怒))、政府の見通しは甘々で、システムは破綻。このままでは私が大人になるころには年金が貰えなくなるのは必定だ。年金だけではない。健康保険料は年々上がって、払い切れず権利喪失、全額自己負担となってしまい、病気になっても医者にかかれない人が急増。地方自治体は財政悪化で公共サービスが行えず、ゴミ収集は有料化、公民館も使用料徴収か閉鎖、図書館は年々予算減額でPFIやNPO、果ては民間企業に助けを求め派遣やボランティアで生き残り。美術館や博物館は、指定管理者制度で民間に委託かもしくは破綻、花火大会やお祭りは中止、などなど市民生活は乏しくなる一方だ。
 世の中が老人ばかりになると消費活動が鈍り、経済も停滞する。既に冬ソナや「三丁目の夕日」、マツケンサンバや氷川きよし、簡単携帯や高齢者向けタウン誌など、消費・流行の主体は完全に若者から高齢者に移っている。複雑機能から単純操作へ、新物好きから現状維持へ、未来志向から懐古趣味へ、音楽(ユーミン的嗜好から中島みゆき的嗜好へ変化)も映画も商品もますます傾斜していき、財布のヒモは固くなり大ヒット商品は生まれなくなる。頑固な頭脳が並ぶ企業側も思い切った経営方針は取れなくなり硬直化していくことだろう。ローソンは店主の高齢化からコンビニの象徴である24時間経営を維持できない店舗が出ることを発表した。
 最近、地方へ旅行するとその廃れ方・過疎化は酷い。東京郊外ですら八王子など以前の大学建設ラッシュは影を潜め、多摩ニュータウンはゴースト化しているのだから、関西や九州や北海道の荒廃振りは目に余るものがある。そんな荒廃した地方の寂しい通学路を通う数少ない子供達を変質者が襲う。万博特需で一時的に盛り上がった名古屋も新空港の負債など落ち込み材料はてんこ盛りだ。にも係らず九州・東北新幹線や北九州・静岡空港など無駄な土木工事は一向に減る気配を見せない。これらが採算が採れないことは誰の目にも明らかなのに、一度決めたことだから状況がどんなに変化しても柔軟な対応が取れないでいる。そして 人口減でも都心回帰とやらの東京一極集中で電車のラッシュは一向に改善されない。地方は職が無くなる一方なので仕事を求めて人々は益々東京に集まり、職にあぶれた人々がホームレスとしてスラム化していく。 先日、自販機の下を、落ちている小銭目当てに傘で一台一台さらって歩くホームレスの方を見たが、ああいう人々は日に日に東京では増加している。そして、実体経済は全く反映しない株価高騰の中、11月の失業率は2ヶ月連続で上昇した。
 フリーターを始めとする我らが下流社会人は、子供を養う経済力が得られないという以前に現在の日本では結婚対象として女性から見られない(子供を作る時間とエネルギーがいくらでもあるし、発展途上国ではもっと低所得な人間がたくさん子供を作っているにも係らず)。一方、中高所得者層は、自身の生活レベルを維持するため昼も夜も働き通しで時間とエネルギーを総て仕事に注ぎ込んでしまうため、やはり子供を作る暇がない。結果、子供を作る層が誰もいない。社会構造の変化が結婚システムの限界を露呈させ、四人家族システムを崩壊させた結果だ。これを改善させるには非嫡出子の権利の向上、シングルマザーの公認化など結婚に寄らない出産・育児が必要であり、フランスなどの先進国の政策を学ぶべきであろう。  
 少子化に伴う労働力(介護を含む)不足を補うのは海外移民しかないが、日本の病的な閉鎖性、
島国根性、対中国人を始めとするアジア蔑視(統計によれば中国人への親しみ感の無さは過去最低)、自己の政策への国民の不満を中国へと逸らす小泉政策にまんまと乗せられた国民(丁度、中国が自国への不満を日本に逸らしているのと全く一緒)、こんな状態ではアジア経済圏など夢のまた夢だ。中国という巨大で美味しい市場、豊富な労働力を目の前にしてむざむざアメリカやEUに奪われて続けてもまだ「靖国参拝反対は内政干渉!」などと愚かな国家主義を振りかざす。
 以前、バトルロワイヤルという若年層の口減らしをテーマとした仮想社会の映画が流行ったが、もはや、日本の超高齢化を食い止めるには、老人版バトルロワイヤル法ならぬ日本古来に実在した恐怖の口減らしである「姥捨て」復活しかないのでは?(爆)と思えるほど事態は深刻である。
もっとも柳田國男「遠野物語」によれば姥捨てにあった老人たちは死んでしまった者ばかりではなく、山を降りて自分たちで別の村を作ってしまうこともあったそうだが。ともあれ、現在、地方の過疎地や寂れたベッドタウンのマンションの一室で孤独死を迎えて死後三週間経ってミイラ化して発見されたりするお年よりの話を聞くにつけ、正に現代の姥捨て山だなあ、と思ったりする。もともと日本は世界の東の果て、世界の中心である欧米から見れば最も遠い場所であり、中国から見ても会稽東治の東にある過疎地である。今や日本は、「地球の田舎」として「一億総姥捨て山状態」にある。

http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20051228AT1E2701M27122005.html
http://www.asahi.com/business/update/1228/045.html


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コメント 6

姥捨て山は本当にあった話なんですか?
史実だとすると、それはいつの時代のどこの話なのでしょうか?
というのも人によって話がまちまちで、ある国の制度というのもあれば、
妻が姥を捨てるようにと言ったというものなどいろいろあるもので。
by (2005-12-28 21:47) 

はなれざる

コメントありがとうございます。
柳田國男「遠野物語」の姥捨の地に住む人々の話を引用したのですが、それが史実かと言われると伝承の域を出ないので「実在した」のコメントは不適切と言われても仕方ありません。
by はなれざる (2005-12-28 23:37) 

なっとく

日本の国土の養える人口は、3000万人との説があります。
人口減少は、歓迎すべきことですが、高齢人口の過剰が問題です。
解決策として、姥捨て山、尊厳死に国家補助をする方法が考えられます。
また、高齢者、特に女性に徴兵制を実施などの手段も考えられます。
しかし、人道的見地からすれば、困難ですね。若い人が犠牲になり不憫。
by なっとく (2006-01-02 00:24) 

はなれざる

コメントありがとうございます。
”女性の徴兵”と高齢人口削減の関連が全くわかりませんが..(-_-;
いやいや、お隣の中国では人口が増えすぎて困ってるんですからシャッフルしちゃえばいいんですよ(^-^)/。 中国人はいい人です。以前、携帯を落としてしまった時、悪用せずにちゃんと届けてくれてました。なぜ日本人は中国人を愛せないのか?私は不思議でなりません (?_?) 。
by はなれざる (2006-01-02 14:51) 

なっとく

”女性の徴兵”とは、お婆さんの徴兵と言う意味です。高齢者は、女性が多いので必要と考えました。もちろん、人道上できません。。中国の反日教育が無くなれば、友情が芽生えるのでは?会社で中国人の人と仕事しましたが、何も問題は、ありませんでした。
by なっとく (2006-01-02 21:02) 

はなれざる

コメントありが・・ってそれはあきまへんえ(-_-# 人道上以前の問題です。
中国の反日も日本の”嫌中”も似たり寄ったり、時の政府に国民が踊らされているだけだと思います。戦争終了を大義名分に人ん家で原爆実験を行なうような国にこそ”反米感情”をもつべき、と私は考えます。
by はなれざる (2006-01-03 00:12) 

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