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幻のウルトラセブン第十二話を見た [映画/DVD感想]

先日、本屋で安藤健二著「封印作品の謎」という本が目についてパラパラと立ち読み(ごめんなさい)したところ、私の大好きなウルトラセブンの第12話が世間から抹殺され、あたかも元々無かったかの様な扱いを受けていることを知り、慌てて家に帰ってひし美ゆり子著「セブンセブンセブン-アンヌ再び・・・」を読み返すと各話の撮影エピソードをひし美ゆり子が綴った部分でさりげなく11話から13話に番号が飛んでいた。そしてその頁の巻末に非常に小さな字で「*第十ニ話は欠番です」と書いてあった。今の今まで気がつかなかった!情けないやら恥ずかしいやら。

年齢的にダイレクトでは見れていないし、当時はビデオデッキもないし、1970年以降再放送もビデオも十二話は抹消済みで放映されないから、今まではブラックマーケット以外存在に触れる機会が失われて来た訳だが、今やYouTubeで簡単に視聴できるという恐ろしい時代がやって来ました。

http://www.youtube.com/results?search_query=ULTRA+SEVEN&search=Search

なんでも第12話「遊星より愛をこめて」では爆弾実験で放射能に汚染された星からやって来たスペル星人が、その治療のため地球人の血液を集めるという話で、放送当時は全く問題にならなかったのに、それから2年経って小学館「小学二年生」の怪獣カードに”ひばくせい人”と紹介されたことから、スペル星人が実は、被爆者の姿をモチーフにして体にケロイド状のものを付けているとか顔が焼け爛れた後の様にのっぺりしているとかが問題視され「被爆者もついに怪獣扱いか!」と抗議が殺到し、円谷プロが謝罪、非公開にしたという経緯らしい。

さて問題の映像だが、スペル星人のデザインはどうみてもケロイドには見えないし、顔も被爆者を発想させるものではない。まあなんつーか全体的に白くて顔はウーパールーパーみたいな感じ?弱そう(爆)。それにしても宇宙人って複数居ても、なんでみんな最後に一人だけ巨大化して肉弾戦に持ち込むのでしょうか?(爆)。それまでの頭脳作戦が全く無意味に思えてくるし、どうせなら全員で巨大化して一斉に飛び掛ればセブンも敵うまい(笑)。

実相寺監督の意図は原爆反対、戦争反対にもあったんだろうが、もともとウルトラセブンは単純な完全懲悪ドラマではなく、沖縄の問題(薩摩藩の支配、沖縄戦、基地問題等本土の犠牲になってきたこと)を絡ませた第42話「ノンマルトの使者」、行過ぎた機械文明への警鐘を描いた第43話「第四惑星の悪夢」など社会問題をSFの形を借りて表現したものが多く、それが子供のみならず大人にも支持される理由なのだから第12話一つだけを抹殺してしまうのは納得がいかない。小学館も「吸血星人」とでもしておけば誰も問題視しなかったのに、バカだなぁ。

スペル星人の基地って快獣ブースカで出てきた世田谷区の砧付近にあった変な丸窓のいっぱい付いたビルだよな。昔良く目に付いた。そして驚いたのは、スペル星人の時計に血を吸われるアンヌ隊員の友人役がなんとウルトラマンのフジアキコこと桜井浩子なんですねぇ。1967年『颱風とざくろ』での共演について「セブンセブンセブン-アンヌ再び・・・」では1967年『颱風とざくろ』での共演について「ウルトラシリーズの紅一点として、何かにつけて比較されてきた二人は、映画の世界で初めて出会いました」と書いていましたが、実はここでも共演してたんですねぇ。

作品自体の出来不出来や差別問題については、作り手が強制的に見る機会を奪うのではなく、見た人の判断に委ねて議論されていくべきだったのでは?

封印作品の謎

封印作品の謎

  • 作者: 安藤 健二
  • 出版社/メーカー: 太田出版
  • 発売日: 2004/09
  • メディア: 単行本

 

※セブン以外の話は興味がなかったので買ってません。ごめんなさい。みなさん買って下さい。

 

セブンセブンセブン―アンヌ再び…

セブンセブンセブン―アンヌ再び…

  • 作者: ひし美 ゆり子
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2001/03
  • メディア: 文庫

※アンヌ隊員はとにかく凄い酒豪だったという内容です(爆)。

ひし美ゆり子も、1.友人が勝手に応募してデビュー→2.厳しい父の反対を押し切って上京→3.世間に出さない約束で撮ったヌードを記者が勝手に掲載、とまあここまで言い訳が白々しいと呆れて返って許せてしまう芸能人の王道を行っています。

 

DVD ウルトラセブン Vol.11

DVD ウルトラセブン Vol.11

  • 出版社/メーカー: ハピネット
  • 発売日: 1999/10/25
  • メディア: DVD

 ※42話、43話を収録

「第四惑星の悪夢」は怪獣も巨大宇宙人も一匹も出て来ない異色作で、機械人間の何かを噛む様なコリッ、コリッという音が子供心に非常に恐かった、私の中のセブン最高傑作。


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