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犯罪者は、異常者ではない [時事問題]

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060605-00000029-jij-soci
秋田県藤里町の米山豪憲君殺害事件で、県警は5日午後、死体遺棄の疑いで逮捕した畠山鈴香容疑者を送検。

 こういう事件があると、容疑者に対して、やれ離婚しているだの、借金があるだの、失業者だの、言動が乱暴だの、子供の頃は孤立していただの等々の点を強調したり、急にうつろな目や凶悪そうな表情の画像を使って、「この人は普通の人とは違う、異常な人」という証拠を集めることで、人々は安堵するが、果たしてそれでいいのか。それまで普通に笑って挨拶とかしたり、集団登校の付き添いをしていた近所のおばさんに対して、事件が起きた途端、小学生時の作文までひっくり返して「狂人の証拠」を穿り出してみた所で、それ自体全く無意味だ。突然、心理学者とかに「依存度が高い」だのもっともらしい解説を述べさせたところで、当らない天気予報の様なもの。「犯罪者=キチガイ」という固定観念にしがみ付いている限り、いつまでも児童殺害は続く。誰だって汚点の一つや二つはあるものだ。まして今時、失業や離婚など珍しくもない。事件が起きる前に我々はそれを「犯罪の前兆」として捉えることはできないだろう。今時の犯罪者は、「普通のヒト」だ。明日の貴方かも私かも知れない。誰もがひょんなことからいつ何時、そんな深淵に落ち込むかそれは誰にもわからないのだ。今、メディアが最も行なうべきことは、そんな個人の異常性を掘り下げることではなく、犯罪が行なわれた社会的且つ時代的背景を浮き彫りにすることこそ、メディアの使命なのではないだろうか。


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降龍十八章

全く同感です。最近、こういうまともな意見があまり聞かれなくなりました。テレビタックルみたいなバカな番組のせいでしょうか?
罪を憎んで人を憎まず・・・の降龍も一応、法学部出です。
by 降龍十八章 (2006-08-26 00:12) 

はなれざる

nice!&コメントありがとうございます。私も法学部は出ましたが、当時は全くサボっていたので、法律は並以上に暗いです。m(_ _)m
 最近、報道のプライオリティの異常が益々激しさを増していると思います。中田引退が全国紙である朝日新聞の一面トップを飾ったり(スポーツ新聞か?)、公共放送の筈のNHKニュースですらハンカチ王子が漁船拿捕・射殺事件より優位に扱われるようでは、最早、報道の使命感も死んだ末期的状況と言えましょう。
by はなれざる (2006-08-26 22:13) 

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