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原子力で飛行機は飛ばない! CO2と放射能はどっちが危険? [原発反対]

 

東京に原発を!

東京に原発を!

  • 作者: 広瀬 隆
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 1986/08
  • メディア: 文庫


なぜ、NHKは、カザフスタンの奥地やドイツのカルカーまで行って、核の恐怖を告発する前にもっと近い六ヶ所村にて核の恐怖を訴えないのか。
 青森県六ヶ所村には、長崎に落とされたプルトニウム型原爆の何百倍何千倍ものプルトニウムが
眠っている。それを燃やすはずだった高速増殖炉「もんじゅ」は、平成7年のナトリウム漏れ事故のあと、10年間、放棄されていた。一時は、ウランを燃やすように作られた普通の原子炉で、プルトニウムを燃やすプルサーマル計画を実行に移そうとしたが、関西電力の死亡事故、東京電力の虚偽検査発覚の前に断念し、再び亡霊「もんじゅ」の合法性を唱えた(もんじゅ行政訴訟で最高裁が、国側勝訴の判決)。

 日本は、原子力開発の正当性をなんとか、理由付けようとしてきた。まず始めに資源小国を理由に石油に変わる次世代エネルギーとして原子力の有効性を訴えた。しかしこの嘘のカラクリを私の中で解いてくれたのが広瀬 隆「東京に原発を!」をだった。

 「石油資源のうち、あるものはガソリンとなり、あるものは電気を生むが、六割はプラスチックなどの原料となる。つまり石油はエネルギー資源であると同時に原料資源である。これに対し、原子力は逆立ちしても電気を生み出すだけで原料を生産しない。石油がこの世からなくなれば原子力発電所の建設と運転も不可能になる。原子力が石油に取って代わる未来など存在しない。石油が消えた未来を考えてみよう。石油に頼っているプラスチック、衣類(ナイロンなど化学繊維)、建材、テレビ、洗濯機、冷蔵庫などはすべてなくなってしまう(それを燃料とする自動車もジェット機も大型貨物船も全て動かない。)。そこに原子力発電所が存在し、中世の生活様式のなかに電気だけが豊富にある?このような世界があるはずがない。」(一部「東京に原発を!」より抜粋)。

 昨今、JALの以前なら考えられないような点検ミスによる事故が多発しているが、これは原油価格の高騰と密接に関係している。原子力空母や原子力潜水艦は存在するが、原子力ジャンボ旅客機などというものは聞いたことがない(勿論、原子力ダンプカーも原子力大型貨物船もない)。ジェット機は石油がないと飛べない。しかし原油価格の高騰は、利益確保のため大幅なコストダウンを迫られ、それが人件費や点検費用など削減を招き引いては安全を犠牲にしている。 

 しかし世間の人々はこの嘘のカラクリを見抜けない。日経新聞なども未だに石油に代わる次世代エネルギーの一つに原子力を上げるコラムを書いている。

 また、石油より先に原子力発電所の燃料となるウランが埋蔵量的に無くなる、という冷たい現実もある。日本はこの現実を隠すために夢の原子炉「高速増殖炉」を言い出した。つまり原子力発電を行った後に残る高レベル廃棄物「死の灰」からプルトニウムを取り出して再び燃やすことで永遠にエネルギーが確保できるような錯覚を国民に起こさせた。しかし実際には、「死の灰」から取り出せるプルトニウムはごく僅かで、全部がプルトニウムになるわけではない。つまりウランがなくなれば高速増殖炉も立ち行かなくなる。また、その稼動は余りに危険かつ困難であり、既にイギリス、ドイツ、アメリカなど先進国は計画を放棄している。にも係らず、日本は計画中止の検討をやめてしまっった。

 三つ目に地球温暖化に伴い、京都議定書の発行(実際にはアメリカと中国の離脱により骨抜きになった)がなされ、ホスト国の日本はCO2の削減を率先して行うべきであるが、テレビCMで原子力には素人な早稲田大学の某エジプト考古学教授に「原子力はCO2を出さないクリーンなエネルギーです。」などと馬鹿なことを言わせて原子力の正統性を位置付けようとした。CO2排出に火力発電が占める割り合いは少ない。
 放射能と二酸化炭素はどっちが危険か?子供にもわかるレベルの質問だ。

 さらに最近はNUMOのテレビCMで高レベル廃棄物の地層処分を「国民の宿題」と言い出した。地震国日本の一体どこに埋める場所があるというのか。「国民の宿題」と言い出した人の庭に埋めてやりたい。

 日本が高速増殖炉をあきらめない理由、プルトニウムを手放さない理由は一つしかない。それは核開発である。それ以外の理由は全部嘘だと思っていい。唯一の被爆国は今核大国となりつつある。原子炉の中で行なわれている核反応と核爆発は仕組みは同じだ。ただ、それを緩やかに行うか急激に行うかの違いである。お湯を沸かしてその蒸気でタービンを回すためだけにわざわざ核分裂を行う必要がどこにあるのか。風力発電はデンマークやドイツで、主力エネルギーになりつつある。工業国スイスでは水力発電が今もさかんだ。しかし日本ではこれらを陳腐な、時代遅れなものに見せようとする意図が感じられる。さらに火山国日本では地熱発電が非常に有効だが、実際には試験的に行われているだけでそのエネルギーは温泉ぐらいにしか使われていない。

 燃料電池は実際に”電池”ではなく発電機なのだが、そのイメージを持たせないようにしている。
実際、一家に1台小型燃料電池があれば原子力発電は全く不要となる。新日本石油では家庭用燃料電池のリースを始める。現在は天然ガスが燃料だが、日本近海に豊富に存在するメタンハイドレードなど利用すれば日本は一気にエネルギー大国となれる。しかし、政府は何にもしない。中国が開発に及んで突然文句を言い始めた東シナ海大陸棚の天然ガスなどもう30年も前から社会科の教科書にも載っていることであり、今まで何もしなかった政府の対応の遅さに呆れるばかりだ。

http://www.numo.or.jp/
http://www.nissekigas.co.jp/business/lfc/shohinka.htm

恐怖の放射性廃棄物―プルトニウム時代の終り

恐怖の放射性廃棄物―プルトニウム時代の終り

  • 作者: 広瀬 隆
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 1999/08
  • メディア: 文庫


チェルノブイリ報告

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  • 作者: 広河 隆一
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1991/04
  • メディア: 新書


日本のゆくえアジアのゆくえ

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  • 作者: 広瀬 隆
  • 出版社/メーカー: 日本実業出版社
  • 発売日: 2004/09/16
  • メディア: 単行本


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スパイラルドラゴン

 石油と原子力が無くなってもエネルギーや石油製品の枯渇の心配は全くない事は、一部のまともな科学者達の間では常識となっています。
 そして、燃料電池は技術的には可能だが、汎用品としての製品化が不可能だと言うことも、同様に常識となりつつあります。
 私は広瀬隆さんのFANですが、燃料電池技術に期待を寄せている書籍を発行する際の、燃料電池発電商用化の為の調査・検証が少し足りなかったと思っています。 
 エネルギー問題に関しては、そのプロセスのほんの一部分にも、たられば理論を用いてはいけないのです。
 その代表例が、原子力発電であり、核融合技術を利用した商業発電という夢想なのです。
 ですから私は、核融合による発電と核燃料サイクルを提唱する科学者達のことを、「悪魔の錬金術師(詐欺師)」と呼んでいます。
by スパイラルドラゴン (2005-12-01 23:50) 

はなれざる

コメントありがとうございます。
>石油・・が無くなってもエネルギーや石油製品の枯渇の心配は全くない・・
 そうなんですか!勉強不足ですみません。そうすると石油がなくなった後、プラスチックは石油以外でも作れるのはさすがに知ってましたが、ジャンボジェットもちゃんと何かで飛ぶんですね!ロケットみたく液体水素でしょうか?う~ん。
>燃料電池は・・汎用品としての製品化が不可能・・
 そうなんですか!勉強不足ですみません。そうすると現在ある家庭リース用、車用、PC用は総て実験レベルで終わってしまうってことですね。なんかメタノールは危険物なのでノートPC用に製品化しても現行では、旅客機に持ち込めないって話は聞いたことがありますが、汎用化できないというのはそういう危険性の意味でしょうか。それともコストがかかり過ぎて大量製品化しても価格に転化できないってことでしょうか。う~ん。
 核融合は絶対だめそうですよね。トカマク型だかなんだか知らないけど恒星レベルで起こってることをちっちゃな地球で行うのは絶対無理だと思いますよ。
by はなれざる (2005-12-02 22:12) 

an

あなたはちょっと素直すぎます
広瀬さんの本でそういってれば信じ、コメント欄の人の言葉も信じてる。
「一部のまともな科学者」とやらはどのように検証したのでしょうか
by an (2007-07-23 00:04) 

はなれざる

anさん、コメントありがとうございます。
>コメント欄の人の言葉も信じてる。
信じてませんよ~。皮肉で言ってるだけです(笑)。通じてませんか。
by はなれざる (2007-07-24 02:06) 

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