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郵便局はちょっとだけ重要だ [社会風景]

 五島列島 小値賀島で 地の神島神社 を探して道に迷った時、通りがかりの郵便配達の人に聞いたところ、親切に道を教えてくれた。なんといっても郵便局員は地域のエキスパートだ。
 遠野で 続石 を目指して自転車をこいでいた最中、デジカメのバッテリーが古くなっていて、思ったより早く電池が切れてしまい、困っていたところ、回り中田んぼしかないような場所に、ポツンと一軒、郵便局があり、そこで充電させて欲しいとお願いしてみたら、快くコンセントを貸してくれた。
 ああいう場所にある郵便局は民営化されたら真っ先になくなってしまうんだろうなあ。

 郵便局は、僻地を旅行する趣味のある私にとって、その程度には必要だ。

 私は東京都出身なので、幸い、周りに銀行や証券があり、郵便局にお金を預けたことはない。年賀状も書中見舞いもまめにだす方ではないし、最近はメールで済ましてしまっている。
 しかし遠野や小値賀島といった地方ではどうだろうか。郵便局しかなかったらやっぱり郵便局にお金を預けるだろうし、携帯も圏外、光もADSLもなかったら、それどころかPCに触ったこともなかったらやっぱりもっと葉書を出すだろう。

 唐突だが私はパチコンが嫌いだ。私の家の近所にはパチンコ屋がなく親もパチンコをやる習慣がなく、映画館や美術館、本屋、レンタルビデオなど娯楽は他にいくらでもあったのでパチンコになじみがなかった。大学生になって初めてパチンコ屋に入った時、そのパチンコ玉と電子音と店内放送による圧倒的な騒音と、タバコと体臭の充満した窒息しそうな空気、大の大人が横一列に並んで思考停止状態でいる不気味さになじめず気持ち悪くなってすぐ出てしまった。ところが、会社に入って地方に転勤になった時、寮がなんにもにもない田んぼのど真ん中で、そこにさん然とパチンコ屋の灯だけが赤く輝いている場所だった。娯楽はパチンコしかない場所で1年間いる間に自然に1回入ってしまった。結局余りの早さで金が無くなるのに恐ろしくなり、かつ手元に何も残らない虚しさからやはりすぐにやめてしまったが、子供のころからああいう場所に住んでいたら東京に出てきても迷わずパチンコをやっているだろう。 まさに地域は人を変える。郵便局も同じだ。

 今の私にとってパチンコ屋は困った時にトイレを借りる場所だ。郵便局も私にとってその程度
には重要な場所である。

 

 
 


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