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場末の映画館でB級映画を見よ [映画/DVD感想]

花と蛇2 パリ / 静子

花と蛇2 パリ / 静子

  • 出版社/メーカー: 東映
  • 発売日: 2005/09/21
  • メディア: DVD


http://www.hanatohebi-movie.com/
 東銀座のシネパトスは、知る人ぞ知るB級マイナー映画館だ。なにしろ場所が道路の下だ。しかも
歌舞伎座と目と鼻の先なのに一度階段を降りると、銀座とは思えない異空間が広がっている。勿論B級映画だけでなく、ちょっと人気落ちした流行ものも時としてやっているのではあるが。なにせあの床屋や飲み屋と入り混じった暗い狭い汚い感じがなんとも言えない。こんな映画館では紙コップの飲み物だの禁煙だのケチくさいことは言わない。ビンコーラでも飲みながら、廊下のシートで堂々と煙草が吸える。しかし何をとち狂ったか女性専用シートなるものがある。こんな平日の真昼間に花蛇なんか見る女性がいるわけねえだろうと思うといるんだなあ、これが。しかも若い女性だったりする。ライターさんなのかね?不思議だ。昔、中野武蔵野ホールでも見かけたことがあるが、結構いるんだよなあ。ディズニーランドで男性一人客を見た時と同じ驚きがある。こういう映画館に行く時、始めっから見ようなんて思ってはいけない。途中からぶらりと入っていって寝る。マジに見ない。回りを見ると失業者、日雇い、サボってる営業マンなどなど暇そうな親父たちが俺を含め時間つぶしに涼んでいるだけだ。ああ杉本彩って老けたよなあ、とか思いながら観るというより漂っている。
まあ、この映画は団鬼六の有名なSM小説が原作と言われるが、SMというとどうも黒皮の服を着てハイヒールをはいた女性が「女王様とお呼び!」なんていいながら鞭で豚みたいな中年男を打つというイメージしか思い浮かばない人が多いが、この映画にはそういうシーンは一切ない。SMという言葉は誤解を生むのであまり好きになれない。大体、小説自体が、高潔で金持ちな人妻を延々と縄で縛って陵辱し最初は悲しんでいた夫人がマゾヒズムに目覚めるという内容がもう延々と書かれているのだが、とにかく長いので全部読んでる人は相当、精神力の強い人だろう(結構女性に人気があるらしい)。なにしろ同じことの繰り返しだから飽きるし、あまりに荒んでて気持ち悪くなってくる。映画では初映画化(31年前だがらいかにこのブランドが老舗かわかる)した谷ナオミが有名だが、内容はとてもコミカルな仕上がりで暗さがない。さすがに原作をまんま実写化できるわけないが、あまりに小説とはかけ離れている。まあ小川美那子のやった花蛇が一番原作の雰囲気に近いんじゃないか。しかし杉本彩はマゾヒズムに似合わないよなあ。どちらかというと嗜虐性のイメージがある。またマゾヒズムの役は純粋且つ高潔が望ましいが、杉本彩は昔、ハイレグの女王だったし、色が黒いから麻縄模様も生えない。江戸~大正にかけて責め絵師というのがいたらしく、「D坂の殺人事件」(江戸川乱歩原作)」ではなんとあの真田広之が責め絵師をやっていてモデルが気に入らないと言って自分で自分を縛って描くという凄い役をやっていた(絶句!)。今回、その責め絵師のモデル役に杉本彩が挑んだわけだが、やせ過ぎの体系で着物も似合わないし、胸の肋骨が浮き出ててなんか貧相、お婆さんって感じ。やっぱりいくら責めても大丈夫みたいな余裕(恰幅)がないと絵的に綺麗じゃないし安心して観れない。そんなわけで筋書きは谷ナオミの傑作「幻想夫人絵図」に近いが内容は雲泥の差である。なにしろ谷ナオミの妖艶さが杉本彩にはない。別に谷ナオミを褒めるつもりはない。はっきり言ってこれ以外の作品は太りすぎ(かなりヤバい)で見れたものではないが、「幻想・・」だけはカメラワークがいいのか脇役がうまいのか一見の価値がある。「花と蛇2 パリ/静子」は脇役はとても良い。画家役に遠藤憲一、遠山の夫役になんと宍戸錠だぞ!でもパリまで行って撮る映画じゃあないよ。

団 鬼六 幻想夫人絵図

団 鬼六 幻想夫人絵図

  • 出版社/メーカー: 日活
  • 発売日: 2001/05/25
  • メディア: DVD

D坂の殺人事件

D坂の殺人事件

  • 出版社/メーカー: 東映
  • 発売日: 2000/08/04
  • メディア: ビデオ


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