SSブログ

永遠に終わらない祭は究極の夢 [映画/DVD感想]

うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー

うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー

  • 出版社/メーカー: 東宝ビデオ
  • 発売日: 2002/09/21
  • メディア: DVD


昨今友人から貸してもらいました。
押井守独特の“間”、ストーリーの進行とは全く無関係のカット(真夜中のチンドン屋のシーンなど)の挿入が多いのが、印象的で良かったです。
一見、浦島太郎の亀からの引用の様で、実はインドの世界観をも取り入れられている所が面白かった。即ち、古代インドでは、世界は中心に須弥山のある半球上の大地でその下を三頭の象が支えており更に、その象は一匹の巨大な亀の上に乗り、更に亀の下にはとぐろを巻いた大蛇がおり、大蛇の口は尻尾を咥えその体は長く天空を覆っていると考えられていた。この場合は須弥山があたるの家、象がチェリーや温泉マークになるわけだ。
夢は非常によく見ます。夢には2種類あって、このアニメの前半や「マトリックス」の様に現実と区別のつかない夢と、物語の後半の様に、夢の中で、夢とわかって行動している場合です。後者の場合には夢とはわかっていても、楽しかったり、スリルを味わいたくて目を醒まさないないでいることができる時もあります。そんな時は好きな時に夢から目覚めることができます。また、その逆に夢から醒めたくても目覚めることができない夢もあります。そんな時は「目が醒めた!」と思って、部屋で起き上がっても実は夢の続きだったりすることが良くあります。これは寝過ぎた時によく見ます。このアニメの後半でも夢の世界からなかなか抜けれない場面がありますが、ああわかるわかると頷いてしまいます。また夢の中で何時間も下手すると何日も経っていることもあります。物語ではそうした現実世界との時間のずれを竜宮上に例えています。考えてみれば一晩という短い時間の中で、中学生の頃に戻ってしまったり、時には何ヶ月も経ってしまったり、冬なのに夏休みの夢を見たりと、夢の世界というのは身近でありながら、本当に時間を超越した不思議な世界です。子供の頃夢中になって読んだ、大晦日の一晩に1年間の冒険をする「クレヨン王国の十二か月」を懐かしく思い出しました。
 物語には獏が出てきますが、このアニメでは獏はブタの姿をしているのですが本来、ブタは偶蹄目でウシの仲間、バクは奇蹄目でウマの仲間と全く違うので、わかりやすい動物を持って来るならむしろ、馬や犀を持って来た方が近縁なんだけどなぁと下らないことを思ってしまいました。もっともこの獏はバクと違って空想上の動物で、悪夢を食べてくれるありがたい動物で、諸星大二郎の「妖怪ハンター」の「六福神」という話では、お守りのお札として使われていたのを思い起こしました。
 このアニメを見て、学生の頃、文化祭実行委員会というのをやっていて学校の茶道部の畳部屋に1週間前位から強制的に泊り込まされたことを思い出しました。私は自転車通学で家がすぐ近くなのに、なぜ泊り込む必要があったのか今もって皆目見当がつきませんが、風呂に入るのもわざわざ近所の一人暮らしの先輩の部屋に借りに行ったり、飯も家に帰って食べれば早いのに買出しに行ったりと全く無意味なことをしていました。要は体育会系なノリというか軍隊的団体行動精神論というか、家が近い遠いではなく皆そろって同じ行動を取るという所に主眼点が置かれていたようです。しかし畳部屋は蚊だらけで眠れやしないし、とても今となっては良い思い出でした!とは語れません。結局、その強制宿泊が嫌で実行委員会自体は1年で辞めてしまいましたが、その後も文化祭には深く関わってました。でも祭りは楽しかったですねぇ。ポスターやパンフレット作ったり、立て看板にペンキで絵を描いたり、模造紙にマジックで書いたり写真を引き延ばした展示を飾ったり、プラネタリウムや即身仏の人形やジオラマを作ったり、OBが訪ねてきて差し入れをいっぱいもらったり、映画会を上映したり、舞台の裏方をやったり、食材の仕入れをしたり、厨房で料理や皿洗いして、落としたひき肉をそのまま混ぜて出しちゃったり、団子屋の客引きをしたり、野外ライブの進行表を作ってキュー出しをしたり、デモテープの審査をしたり、そして最後は打ち上げのどんちゃん騒ぎと、やあ、準備から本番まで本当に面白かった。大抵の人は学園祭なんて学校が休みの日、ぐらいの感覚しかなかったと思いますが、僕らにとっては1年で一番楽しいウキウキした黄金の日々でした。この映画のように何時までも文化祭の準備が永久に続いていればこんな楽しいことはないですね。まさに永遠の夏っていう感じです。大人になってからはこうした祭りの準備ができなくて寂しいです

マトリックス

マトリックス

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • 発売日: 2006/07/21
  • メディア: DVD


妖怪ハンター (水の巻)

妖怪ハンター (水の巻)

  • 作者: 諸星 大二郎
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2005/12/13
  • メディア: 文庫


クレヨン王国の十二か月

クレヨン王国の十二か月

  • 作者: 福永 令三
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1980/11
  • メディア: 新書


nice!(1)  コメント(3)  トラックバック(0) 

nice! 1

コメント 3

いぬ

学祭、今思うと楽しかったですね〜。この「うる星」は公開時に見たとき(当時高校生)、「なんだこりゃ?」と思いましたが、大人になって見てはじめておもしろいと感じました。ヒロインは実はサクラさんだったのではないかと思っています。
by いぬ (2008-02-06 13:31) 

はなれざる

コメントありがとうございます。
私はたぶん初めて見ました。馬鹿馬鹿しいけど深いですね。
妖怪大好きの私は、とても面白かったです。
by はなれざる (2008-02-06 22:45) 

はなれざる

はっこうさん、nice!ありがとうございます!
by はなれざる (2008-03-09 18:54) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

代償泣いてばかりいるクリントン♪ ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。